深夜２時。かばんを置いてキッチンに座り込む

冷蔵庫には賞味期限の切れたチーズと缶ビール

故郷からのダンボール　じゃがいもからは芽が生えた

電気釜には数日前に炊いたままのごはん

ぬくぬくとして私の帰りを待ちつづけてた

お湯を沸かせば　あとはお茶漬けの素

さらさらと　ごはんに梅の花が咲く

いただきますとかきこんだら　元気がわいてきた

冷たい体も　あったまる

なぜか東海道五十三次

「元気だすのよ」とママの文字

落ち込んでなんかないさ　落ち込んでなんかないさ

だから心配いらないよ　私はいつも大丈夫

「そういうときほど心配なのよ」とお見通し

だからきょうもお茶漬け　だからきょうもお茶漬け

なんだか帰りたくなってきちゃって　飛行機の時間調べたけれど

そのうち仕事の電話もきたから　やっぱりおあずけ

だからきょうもお茶漬け　だからきょうもお茶漬け