水色マフラーの破壊力
という文章がある。僕ではない人が書いた文章だ。
で、この奇矯に映る男だが、「モスグリーンのコートに水色のたっぷりしたマフラー」、「天然パーマのくしゃくしゃ」の髪、とある。この描写で、なんか小ぎれいな人物を想起してしまうのはなぜだろう? まるでインスタで見かけるおしゃれな男性のようだ。キーは、たぶん、水色のたっぷりしたマフラーだ。
だとしたら、すごいな。水色のたっぷりしたマフラーの威力は。で、もっとこの水色マフラー男の話の続きを読みたいと思ってしまう。
どうしたんだ、こいつは? なにがあって、今、街角ピアノの前に立ってるんだ? そのマフラーどこで買ったんすか?
かようにして、この水色マフラー男は、僕の中ではものすごく異化され始めて、なんなら、続きを勝手に創造してしまいたいくらいだ。
そういう、何かを喚起する、邪気とさえ言っていい何か。そういうevocativeなイメージって、あるんですねぇ。そういうのに、どっかで出会いはしないかと思って日頃からキョロキョロしているんですが、なかなかビビッドな出来事は見つけることが出来ません。
この水色マフラー男は、破壊力があった。おもしろい。
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