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願いを叶える手帳@ひとり小説会議

僕の夢は、小説家で食べていけるようになることです。なのに、文章を書くことそのものを放っておいて、夢を叶える方法的なものを熱心に読んでいたりします。今日の僕は、そういう本を読みながらからむ、たちの悪いヤツになっています。

夢を叶える方法として有名なものに、「やることをリストアップして、それらをやる日にちをまず手帳に書きこめ!」というメソッドがありますよね。

夢を叶えるために起こす行動を、いつやるか。日にちを決める。僕にはそれができない。だって、今いるところとその日にちとは何の関係もない、適当に選んだ日にちだから。手帳を開いても赤ちゃんが描いた落書きに思えてしまう。

それから、夢を叶えるために起こす行動に、どういう行動があるのかがわからない。小さく分けていくのができない。今年中に年収1000万円の作家になる。そういう夢を手帳に書いた。書いてみることはできた。一応、書くには書けた。じゃあ、当たり前だけど、そのためには小説を書かなくては。

その一番ちいさなステップとして、今日、何をすればいい? 主人公・伊佐時折いさときおりの渇望を探らなくては。

主人公・伊佐時折をヨシヨシと慰撫いぶしてくれるものはそのへんに転がってはいない。彼が何かに慰撫されようと願っているかぎりは、与えられない。

じゃあ、彼が自分で誰かを慰撫する側になってみようと思えたら? その時はじめて、物事が動き出す。当たり前だ。彼が主人公なんだから。いや、わかってるんです。

じゃあ、時折は「誰にとってのヒーロー」なんだろう? たぶん、彼と関わるいろんな人にとって。彼が周りの人たちを慰撫する側に立とうと決心したとたん、人々が寄ってくるようになる。それまではまるで、誰も時折の姿が見えなかったかのようだ。最初はヒーローは埋もれている。

もしくは、時折は何かミッションを帯びる。誰かに助けてくれと頼まれる。何かを見つけてくれと頼まれる。それらミッションを果たすことが、時折じしんにとって、避けられない死活問題となる。だから、彼はそれらを無視したり断ったりすることができない。巻き込まれて、もはや逃げることができない。

む、ミッション? ところで何だ、それは?

いかん。僕は小説のことを考えていたはずなのに、僕じしんの、触れてはいけないエリアに触れてしまったようだ。

ミッション? 僕に持ち込まれるミッションなどない。僕に何かを頼んでくるような人間はいないし、僕に何かができるとは思えない。ミッションを果たす晴れがましい男は、僕ではない誰かだ。行って還ってくる勇者は、僕ではない誰かだ。

僕はまるで、自分の自己効力感が低いあまり、小説の登場人物にも活躍してほしくないと思っているかのようだ。主人公に嫉妬しているのだ。コワレてる。

僕はそれでいいと思っているのだろうか? 答えはもちろん、ノーだ。僕は、本当は、自分が書いた小説世界の人間たちにめちゃめちゃ活躍してほしいと思っている。僕は自分が書いた小説の熱心な読者としてワクワクしたい。

ただ、どうやって活躍させたらいいのかがわからない。誰かほかの人が書いた物語のヒーローたちが活躍するのは共感できるのに。

何日か前に、小説の構想を練るブレインダンプをやったんだけど、まだまだ本音の吐き出しが足りん。出直してくる。


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