デモテープは海を超えて~怒りが生むエネルギー。
あなたは、どんな気分の時に、
音楽を聞くだろうか。
楽しい時?
悲しい時?
嬉しい時?
怒りに満ちた時?
私は、専ら、怒りに満ちた時だ。
Jさん(LUNA SEA)のソロアルバム『PYROMANIA』か、ザ・ミッシェル・ガン・エレファントの『ギヤ・ブルーズ』、
どちらかを聞く。
特に『PYROMANIA』は、元々、
怒りから作られたアルバムだ。
96年末、Jさんは納得出来ないまま、
『メンバーの総意』として、バンド活動の
期限付き休止が決まり、発表された。
97年、そこから怒りを昇華して、
自分にしか出来ないロックをやってやる、と
自らデモテープを送り、メンバーを募った。
そして、ロスでバンドを結成、この
『PYROMANIA』を完成させた。
それから、怒涛の1年を送ったわけだが、
これには、後日談がある。
再び、LUNA SEAだけに戻る期限を守ったのは、Jさんだけだった。
他のメンバーは、期限後も、ソロ活動を、
バンドと並行して行うことになった。
それに怒りを感じたことも、解散の理由の
ひとつ(今は再結成)だという。
このアルバムに収録されている曲に、
こんな歌詞がある。
まるで、メンバーに向かって言っているような
歌詞。
この時点でJさんは、期限を守ったのが、
自分だけとは知らない。
しかし、バンドに戻って、2年足らずの解散は、Jさんにまた、この心境にさせたのではないか。
個々が力を付けて、バンドをより強く、レベルを上げる為の活動休止。
次に集まる期限は、1年後の夏。
だから、Jさんは、97年を走り抜いた。
病気になろうが、体がボロボロだろうが、
ステージに立ち続けた。
その合間に、ラジオ番組のDJ、取材、
単行本の刊行、と、出来る限りのことをした。
しかし、信頼していたメンバーは、
誰ひとり、約束を守っていなかった。
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