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【娘の苛立ち】~君はまだパパと呼ばない。13話~

私には子供がいます。
血のつながりの無い子供です。
今年、父になりました。
本音を言うと20代の頃には考えられませんでした。
血の繋がりの無い子供を持つなんて。

だから、娘が
「お父さんではない。」
と言う気持ちも分からないではない。

前回の記事で、結婚して欲しくないと言い出した娘。
しかし、妻と私は結婚へと動き出していたので娘に
どう理解してもらうかを考えていた。

私自身も子供がいる生活を慣れる為に
保育園や学童にも私が迎えに行く機会が増えた。

初めて迎えに来た時は、意外な人が来たものだから
テンションが上がり、大きな声を出して笑った。
妻が帰ってくるまで預かり、妻が娘を迎えに来た時も
私が来て驚いたけど面白かったっと妻に話したのを覚えている。

しかし、日が経つに連れて娘は友達に対して
明らかに苛立ちを見せるようになった。

私が迎えに行くたびに

「お父さん?」とお友達に聞かれる。
そのたびに、娘は


「お父さんじゃない。」と答える。


保育園のお友達に、私も

「お父さん?」

と聞かれるが、結婚前なので
「違う」
と答える。
すると園の子供たちは不思議がる。

親でも無く、おじいちゃんでもなく。
全く血の繋がりのない人が迎えに来る。

行くたびに聞かれる。
父親か?と。そのたびに声荒げて否定する娘。
時には、娘の彼氏?と冷やかされたりする事もあった。
帰りに、しんごさんが迎えに来ないで欲しい。
妻に来て欲しいと言う日もあった。

そして、ある日私が娘を迎えに行った時だった。
たまたま、別の棟の園に移動する時間。
車が到着すると、娘は私に気付いた。
そして、凄く怒ったような顔をして車に向かってきた。

車に乗り込んで来た娘。

バタン!!

これまでにないぐらい強く閉められたドア。
明らかに怒りをぶつけていた。
園の友達の口が動いていたので、窓を開けたが
娘は友達には目を合わせずに友達の声にも答えなかった。

普段はとても明るい娘だが帰り道、何を話しても
テンションは低くひどく落ち込んでいた。
機嫌を取るために、お菓子を買い機嫌が戻って来たくらいに話が聞けた。

周りのお友達が私との関係を聞いてくるのが嫌だと。
普通は親が迎えに来るのに、何故自分は違うのか?
という。

園のお友達も初めは悪気が合ったわけではないだろう。
不思議なだけだっただろう。
ただ、必要以上にリアクションする娘がだんだん面白くなったのだろう。

親でも無く、祖父母でもなく
「しんごさん」という謎の存在に。

妻とは常に娘の事を共有していたので、この日の事を伝えた。
そして、片方の親が居ない場合こういう事が起きる。
小さい体で娘なりに戦っている。
本当に申し訳なく思った。

だからこそ、私達が一緒になった後に
娘に結婚して良かった。
と言って貰えるように私達が幸せになり、
娘を2人で幸せにしようと話したのでした。

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しんごぉ。
沖縄でラジオパーソナリティ、アーティスト、イベント関係を
しながら活動中。

シングルマザーの妻と結婚し、娘が出来た事をきっかけに
noteを書き始めました。
娘とのこれまでを振り返りながら、家族とは何か?
を考えながら書き綴っております。

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