今日のラブリー!会いたいという気持ち
いつだったか、実家の母へプレゼントに贈った鉢植えの薔薇が、今年も花を咲かせてくれた。
ベランダのプランターに植え替えられたその薔薇は、しっかりと根をおろして成長を続けている。久しぶりにみると、ずいぶん大きくなっていた。
プランターは、母が台所のテーブルに腰掛けると、ちょうど目に入るところに置いてあって、私が実家に行くと、食事をしながら母はいつもプランターの花たちの話をする。
「あの時のあの薔薇が咲いたよ。今年のは格別にかわいいピンクだよ」
「あそこのビオラは、○○(お嫁さんの名前)ちゃんが植えてくれたんだよ」
「ほんとだね。すっごくかわいいピンクだね」
最近は、そんな母との何気ない会話が、すごく愛しく感じる。
出歩くことが好きで、人付き合いも多かった母は、この一年でずいぶん老いてしまったようだ。
それでも工夫しながら、家の中であんなこと、こんなことをして過ごす姿をみると、なんともいえないやるせなさを感じる。
でも、コロナのおかげでよかったこともある。
わたしの内側から「母に会いたい」という気持ちがむくむくと湧き上がったことだ。
お母さんに会いたいだなんて!
クールな三女(わたし)は、そんなの恥ずかしくて、思ってもみなかったのだ。
父が亡くなってからは、年老いた実家の母に会いに行くことが娘のつとめのように感じていたのかもしれない。
今は「母に会いたい」とおもう自分を、大切に感じて味わっている。
その気持ちを思い出せてよかった。
間に合ってよかった。
今年の薔薇は、ほんとうに格別のピンク色。
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