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「ピアノの森」を読んで

最近、ピアノが弾きたい、弾けるようになりたいと思っている。
藤井風の音楽を知り、そのピアノの音色にうっとり心奪われてしまったから。

ピアノも持っていないのに、“HELP EVER HURT NEVER”、“LOVE ALL SERVE ALL”のスコアまで買ってしまった。

もう、電子ピアノか、せめてキーボードか買おうとまで思っている。
ただ、夏までは仕事に集中したい気持ちがあり、新しいことに手を出すのは難しい。
ピアノに対する気持ちを何とか少し落ち着かせようと、“ピアノの森”という漫画を読んだ。

ある日、e +を見ていたら“「ピアノの森」ピアノコンサート”と言うのが、おすすめに 出てきた。

「ピアノの森」は、一色まことさんによる青年漫画で、第12回(平成20年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞している。
クラシックを素材とした漫画『のだめカンタービレ』は好きな作品のひとつなので、この作品も面白そうだと思い、早速図書館で借りて読んでみた。

全26巻、一週間かけて読了。
あらすじは、主人公、一ノ瀬カイと雨宮修平のピアノを巡る友情と葛藤を軸としていて、カイの師である阿字野壮介との師弟愛、カイの生まれついた環境、ショパンコンクールに参加するコンテスタントたちのそれぞれの生き様なども同時に描かれている。

この物語の中で、雨宮修平の父・洋一郎のピアノと阿字野壮介のピアノが比較されるシーンがある。
壮介のピアノは、人の気持ちを掻き立てずにはいられない一種の興奮剤のような演奏で、洋一郎のそれは、人の気持ちを落ち着かせる鎮静剤のようだ、と洋一郎の友人が語る。

この台詞を読んだ時、風さんのピアノは興奮剤だと思った。
どうしようもなく心の中を掻き乱す、冷静ではいられなくなってしまう、引力のあるピアノ。
だから、風さんのピアノ・音楽は私にとってはBGMに適さない。

「ピアノの森」は、面白いだけでなく、心の琴線に触れるシーンが散りばめられている。この漫画を通して、ピアノに対する気持ちが落ち着いたどころか、より一層興味が増した。
もう少しだけ我慢したら、キーボードを買って、拙いながらも風さんの曲を演奏できるように、がんばりたい!

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