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車のウインカーは言語の役目

ドライバーの皆さんは信号待ちをしている右左折時にウインカーをつけていますか?

前の車が点けていたらするという方が多いのではないでしょうか?

何故、自発的にしないのでしょうか。
その理由は、カチ、カチ、カチという連続音にストレスを覚えるという事があるからしたくない、ということはあります。

しかし、大半の人の心の中には『なめられたくない』という意識が働いているのではないでしょうか。

常識的にルール通りのことをしていると、他者から複数車線になると追い越されるということを懸念しているふしがあります。それも、目の前にズバッとかぶせられて入ってくる車もいます。

ウインカーはある意味で言語の役目を果たしていると共に、その人の今の精神状態の指標という見方もできます。

たとえば、追い越しをする時に3回以上して抜いてくる車は、常識的かつ精神は平常とみなすことができます。

時間に焦っている人、イライラしている人はウインカーを出したとしても、本人の意識の中では時間を早送りしたいためなのか、チカッと一回だけしてあっというまに通り抜けていきます。

そして、そのような人をあざ笑うかのようなナメタ運転をするのは、交通社会がある意味で空想的かつ平等の世界をかもし出しているからではないでしょうか。

現実社会で私たちには、常に上の立場の人がいます。
会社の上司、取引先、お客様など平身低頭することが当たり前になってはいるものの、それがストレスの大元です。

でも、車社会ではどうでしょうか。どのような無理な追い越しや割り込みなどをしても、匿名性があるからどこの誰かすら、相手に知られることはありません。

だからこそ、アウトローが横行するのですが、あまり無茶をやりすぎると、事故をして時間とお金を損します。そして、何より命を落としてしまうおそれがあるから注意してほしいものです。

そして、その事故を起こした人にまきこまれる無関係な人がいるからなおさら注意してほしいですね。

さて、私は長距離トラックに乗り出してはや20年になりますが、車社会によるあらゆる場面に遭遇したことがあります。

交差点で私の前を走る中型バイクの男性が赤信号をつきねける時に、真横から青信号で出てきた乗用車にぶつかり、真上に3mくらい回転しながら飛ばされていました。

これは死んだな、と思いきや、一回転して足から着地したので、倒れたバイクを起こして道の端によせるほどの体力が残っていたから、驚きました。
体操選手のように見事に着地したのです。

最近は多いですね。赤信号を強行突破する人。
停まりたくない気持ちは理解できます。しかし、信号1個分の時間と、事故を起こした時にともなう時間の損失を対比してほしいものです。

このようにルールを守らなければ、損失を伴うのは自明の理です。
ウインカーはその最たるものです。自分の行動意思を他車に伝えないと、損をします。

車は急には停まれません。前車がウインカーをつけずに左のコンビニに入るという場面に遭遇した方は多数いると思います。

急ブレーキを踏まなければなりませんね。下手をすると追突事故です。

私はこの場面に遭遇した1人です。
20代の頃、お弁当配達で軽ワゴンで配達していた時です。

前車が例のように、左のコンビニに突然ノーウインカーで入ったのです。
私は急ブレーキでなんとか追突回避。

しかし、後続車が私の急停車に間に合わず追突。しかも、5台の玉突き事故になったのです。

私は配達用の弁当を300個ほど積んでいたのですが、そのうちの50個ほどが追突の衝撃で宙を舞い、運転席まで飛んできました。

頭にハンバーグやら、スパゲッティーやらかぶっていました。
まさにお笑い番組のコント状態でしたが、笑えませんでした。

私たちトラックの運転手やバスの運転手、タクシーの運転手は、運転することを生業としています。

だから、ウインカーの出し方や車体の微妙な動き、スピードの変化などで、前車が今からどのような行動を起こすかを推測して、かなりの確率で的中します。

何故、そのような推測をするのかは、前記のような事故に合いたくないからです。

このような推測癖は職業病かもしれませんが、プライベートで乗用車を運転している時にも役にたっています。

そして、車の運転を生業にしている人はかなり多いのです。

自分は運転の技術には自信がある、と思っている方もいるかもしれませんが、公道はレーシング場ではありません。

競争意識を持っていると、そのうちに大きな事故を起こします。

ゆずりあう運転と、ウインカーによる意思表示を願う、この頃です。








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