底辺医学部3年生 大学の勉強は結構好き ランニングと読書とジャズピアノ

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最近の記事

トニー滝谷(村上春樹)を読んで

 率直に言って僕にはあまり理解できませんでした。『孤独』がテーマなのかなってことくらいしか考えれません。未熟ながら今の僕なりの考えを書こうと思います。  トニー滝谷の妻が亡くなった後、彼女の洋服で満たされた一部屋が残ります。彼はアルバイトを雇いその洋服を着せることで、孤独ではないと思い込もうとしますが、そのアルバイトが大量の美しい服を見て泣いたことをきっかけに孤独を受け入れることを決意したのだと思います。彼女が大量の美しい服を見て涙を流したことは、その物自体を評価したもので

    • 日記7(自分探しをするやつはアホ)

      自分とは何か、つまり倫理の授業習った自己のイデアみたいなものはなんなのかっていうことだけど、これについては誰でも一度は考えたことがあると思うし、その答えを出すことが出来なかったこともみんな同じだと思う。  僕も最近そのことばかりを考えていたけれど、これは意味のないことだと気づいてしまいました。ここからが僕の考えです。  人は皆、確固たる自分というものが存在すると思うことによって、心のバランスを取ろうとして要るのではないでしょうか。実際はそんなものはないのにね。「自分とは〇〇だ

      • 日記6(自分の尺度を見つけたい)

         最近は大学の勉強で忙しい。周りの人には意外に思われているだろうけど、一応医学部に通っている。3年生になって臨床的なことについて、恐ろしいほどに膨大な範囲のテストが二週間に1、2個あって、真面目な僕はそれの全てで高得点を取ろうと必死なんだ。周りの友達には合格点(6割)を取れば進級できるんだから身を粉にして勉強する必要なんかないじゃないかと言っている人もいるが、おそらくそれは僕の性分的に無理だと思っている。10割の範囲が出されていて、それの6割分を適当に取捨選択して勉強するって

        • 日記5 (公園で遊んでる小さい子を見て僕はこう考えました)

           最近よく死にたいって思うんです。もちろん、こんなことは今に始まったことではないし、季節風みたいなものなんです。目で捉えられる原因は無くて、そういう時期が来るとただ死にたいなあなんて1時間に十回くらい考えてしまいます。正確には死にたいっていうか、このまま消えたいって思っちゃうんです。立っているだけで体がじっとり湿るくらい濃い霧の中にに入って、自分の境界がなくなったらいいのになあって。僕が考える最高の死に方ですね。まあ、こういうことを口に出している時点で本気ではないんだと思いま

        トニー滝谷(村上春樹)を読んで

        • 日記7(自分探しをするやつはアホ)

        • 日記6(自分の尺度を見つけたい)

        • 日記5 (公園で遊んでる小さい子を見て僕はこう考えました)

          日記4(※でも両親は嫌いじゃない)

           ECサイトで『crepuscule』のページを開いてからおそらく30分以上が経過していた。5時間前に食べた鮭のムニエルとその少し後に食べた水羊羹は十分に消化され、外も走りにいくのに丁度いいくらい薄暗く、涼しくなっている。今日は一度も外に出ていないし、まさに今が走りにいくべきタイミングだった。  昨年友達から『crepuscule』のニットをプレゼントされた。そのニットの鹿の子編みによる生地の繊細な色味や着心地の良さは、何を着るか迷ったら手に取ってしまう親しみやすさがある。僕

          日記4(※でも両親は嫌いじゃない)

          日記3(心の中では世界の終わりを待望してる)

           明日のために早く寝ようと9時過ぎに読みかけの本を持って布団に入った。僕は場所によって、それぞれ異なる本を読むが、寝る前に読むのは大抵長編小説だ。今抱えているのは『海辺のカフカ』で僕が中学生くらい(多分ちょうど15歳)の時に途中まで読んで投げ出した本だった。主人公は15歳で、その頃は親近感から手を出したのを覚えている。一度読んだ小説を読むことで、僕はもう一度その頃を体験する。関連して、実際どうなのか気になるところだが、もし自分に子供ができたら、その子に付着してもう一度人生を繰

          日記3(心の中では世界の終わりを待望してる)

          日記2(姉は昔、多分別の何かと入れ替わった)

           昼前に起きた僕は、LED照明のように部屋を照らす障子から目を逸らした。ゆっくりと体を起こし、電子ピアノ用のスツールに置かれているメガネをかけ、昨夜に小説を読み進め過ぎたことを反省した。布団を畳んだ後、寝巻きの上からセーターを被り、洗顔、歯磨きを行う。台所に行き、サラダ用のブロッコリーとアスパラガスを取り出しマヨネーズをつけて食べた。電気ケトルに水を入れた頃に時計は11時30分を指していた。少しすると、2階から階段を下る足音が聞こえてきた。  我が家では父と姉が二階の住人だが

          日記2(姉は昔、多分別の何かと入れ替わった)

          日記1(メスのシャチと女性)

           電車の席は規模の大きい劇場のように、席によって音響がいい席だとか、劇が見やすいだとかそれぞれの良さがある訳でもない。猫も杓子も電車の端の席は他人との接触が少なく、追加の料金を払わないで座れる最高の席だと考えているだろう。僕もその一人であり、電車の扉が開くと間髪入れず、端の席を確保した。コートに皺がつかないように用心して座り、朝古本屋で買った文庫本をコートの深いポケットから取り出して、それを読むことで時間を潰していた。100ページほど読み続け、いい加減首が疲れてきた僕は、視界

          日記1(メスのシャチと女性)