閑話(6) 尿検査

学生の頃、健康診断の当日、採尿を忘れたことがありました。

今思えば、学校に行ってから採るとか、水で薄めて誤魔化すとか、提出忘れの回避方法はいくらでもあったのかもしれませんが、

「尿検査の採尿は、朝一番のものでなければならない」

と、思い込んでいた私は、検尿カップ片手に、兄の寝室に突撃しました。

遅くまで受験勉強していた兄を、早朝に叩き起こす鬼畜な妹。

「お兄ちゃん!起きて!」
「…ん? おはよう…」

目をシバシバさせる兄に、検尿カップを突き出し、
「お兄ちゃん!おしっこちょうだい!早く!遅刻する!」

爽やかな朝とはほど遠い光景です…。
寝起きに検尿カップを渡されて、普通なら、
「はぁ?お前、何言ってんだ?」
となるのかもしれませんが、そこは、私の兄。
変な妹の兄を10年以上やっているので、妹の奇行に対する耐性はバッチリです 笑

「いいけど。本当に俺のでいいのか?」
「うん。いいの!いいの!急いで」

そうして何食わぬ顔して、兄の検尿を提出して誤魔化したのですがー。

後日「すぐに病院で検査するように」と、言われました。

とりあえず、兄には「病院、行った方がいいよ」と伝えましたが、兄は健康で、どこも悪くなかったんですよね。
病気でもないのに、なんで再検査になったんだろう?

尿検査では、遺伝子検査?なんてやらないだろうから、男性のか女性のか、なんて分かるわけなさそうだし。
流石に、犬のおしっこはバレそうだから(しかも採尿の仕方が分からない)、兄にお願いしたのですが、まさか再検査になるとは…。
前日の夜、お酒でも呑んでたかなぁ。

尿検査は、どこまでの不正がバレるモノなんでしょうか?
あれ以来、自分以外のモノを提出したことはないし、今後もするつもりはないのですが、参考までに知りたいです。

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