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自分にとってバイクとは

「これまでの人生で深掘りしたもの、取り組んできたことについて」というお題で書いたものです。
引き続き駄文ではありますが、お読みいただければ幸いです。

私はバイクが好きだ。これまでの人生、バイクに乗る前よりも乗り始めてからの時間のほうが長くなった。
ここでのバイクは、いわゆる自動二輪車のことである。
怪我もした、入院も経験した。夏は暑い、冬は乗れない。雨が降れば濡れる、風が吹けば寒い。エンジン付きの乗り物なのに筋肉痛になる。誠に快適さとは程遠い乗り物だ。
この吹けば飛ぶような乗り物が好きでたまらないのだ。
速いから?楽しいから?理由はわからない。理屈ではないのだろう。
嫌いな人も多い。それもわかる。うるさい、汚れる、ガラの悪そうな人たちも多いイメージがある…

友人たちと集う

しかし、バイクに乗り続けてきたおかげで、毎年のように老若男女問わず新たな出会いがある。自分だけが感じられる景色を眺め、風と空気を感じることもできる。それは他人とは共有できない至福の瞬間だ。
世界中に仲間も増えた。年齢も性別も職業も関係のない友人。もう少し真面目に英会話を勉強しておけば良かった。なんとなくヒアリングはできるのだが返す答えが思いつかないもどかしさ。数年前にフランスから来日した友人と、お互いに片言の英語で話した。日本のアニメが大好きらしい。いっしょに肩を組んで「となりのトトロ」のテーマソングをカラオケで歌う。こんなに世界が広がるとは思わなかった。


千里浜なぎさドライブウェイにて日本海に沈む夕日を背に

昨年から「SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)」というイベントにも参加している。コロナ禍収まり切らない中ではあるが、バイクで走ることは密にもならない。主催者も日程を分散させながら、参加者が集中しないように工夫して開催している。
太平洋側の任意の地点から日の出とともにスタートし、各地の道の駅などで規定のポイントを稼ぎながら、日の入りまでに石川県の千里浜なぎさドライブウェイのゴールを目指すというルール。ルートは決まっていない。高速道路を含めて一般車両通行可能な道路であれば、どのルートを通っても自由。そこには日常であって非日常のちょっとした冒険があると感じる。無事にゴールした者、日の入りに間に合わなかった者、トラブルで途中リタイアした者、自分自身に課題を課してそれに挑む者…目指すゴール地点は同じでも、そこにはそれぞれの目的と理由がある。多様性が求められる昨今、私はそこにも多様性を感じた。
この趣味を通じて、私はいろいろなことを学んだ。目の前の状況をありのまま受け入れること、危険を予測することと察知すること、そしてそれに対応すること。
しかし、一番の収穫は多くの人と知り合えたことだと思う。病気やケガで辛かったとき、心が落ち込んでいたとき、そんなときに励まし、支えてくれたのは家族と、この趣味で知り合った友人たちだった。
年齢を重ねても、チャレンジ精神と多様なものを受け入れていく寛容さを忘れずにいたい。


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