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悪夢考1

始まり

春のことだった。

ちょうど玄関先のチューリップに水やりをしているときに
小学校帰りの近所の子どもたちが通りかかった。

その中の1人の女の子がわたしを見るなり、
もう1人の女の子の肩をぎゅっと抱いて

「今日はみーんなでお花見に行こうね」と
わたしの顔を見ながら、通り過ぎて行った。

言い換えれば、こういうこと

今日、私たち近所のみーんなは
お花見に行くんだよ
あなた以外はね。

びっくりした。
子どもでも、こんな残酷なことが言えるんだ。

そしてわたしは子どもにこんなことを言われるほど嫌われているんだ。

当然、この子たちの親も、同じことを言っているんだろうと瞬時に理解できた。

我が家には
とてもやんちゃな2人の男の子がいて、

後で知ったことだけど
お昼時に遊びに行ったり、
お菓子ちょうだいとせがんだり
近所の人に迷惑をかけていたようだ

それに、
当時、わたし自身も
カルチャースクールや
様々な場所で
ハンドメイドの講師をしていて、
少し目立っいたのも事実。。

「すごい!やっぱりこの家は他の家とは違うわぁ〜」
ご近所同士で立ち話をしているときによく言われたっけ
あの「今日はみーんなでお花見に行こうね」
そう言っていた女の子の母親に…。


でもこういった事は人間の世界ではよくあること
子供の世界でも、大人の世界でも。

結局誰でもいいのだ。
少しはみ出した人間がいたらそこに的(ターゲット)、が絞られる。

今となってはこんなふうに
悟ったようなこと言えるけど

あの時のわたしは若くて弱かった。

もちろんこの出来事だけじゃなくて
その当時、引っ越しとか
義理の両親との同居とか
そんなことも重なり合って

その日を境に
わたしはどんどん壊れていった。


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