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今はなきラクルモ

こんにちは!Recept代表の中瀬です。

今日は私たちが過去立ち上げ失敗に終わった事業を紹介します。

ラクルモの概要

ラクルモとはエコ、サステナビリティに関するアクションをおこなった人に対してリワードを与えるプラットフォームサービスでした。

元々はカーボンクレジットのような金融的な要素も持っていたのですが、流石にそれをいきなり実装するのは難しいよねということで、まずはスモールスタートでマネタイズできる点を実装しよう!という方針でした。

ラクルモというサービス上に、知ルモ(コンテンツサービス)、ポチルモ(エコグッズ販売サイト)、ルモコイン(デジタル通貨)などなどプラットフォーム上にたくさんの事業が乗っかる形でした。

マネタイズポイントは、ポチルモであれば、ECサイトの売り上げのうちの数%をいただく形で、知ルモであれば広告コンテンツ制作でした。

各事業ごとにマネタイズができて、各事業でユーザーがミッションを達成するとルモコインがもらえる仕組みにしていました。

ルモコインは、大企業などSDGsの取り組みを行う企業から原資を集め、それによって通貨を発行することで、ユーザーが系列店舗で通貨と商品を交換できるような仕組みを考えていました。

ユーザーのエコな活動を記録できるようにして、最終的にはその決済などのデータを使って企業がマーケティングに使えるようにしようというものでした。

スモールスタートという言葉の罠

私は「まずは簡単にできるところから実装してスモールスタートや!」という考えでいたのでECサイトの構築から始めました。

スモールスタートが大事というのは正しいと思いますが、この事業においてはそもそものビジネスの仮説検証もしないといけなくて、その検証をするためのスモールスタートを踏むべきでした。

それに対して、まずはECサイトを作るというのも若干やりたいこととずれているのですが、当時はそんなこと思いもせず、ECサイトを構築し、通貨を獲得できる仕組みまで作成しました。

壁打ちという名のお気持ち表明会議

我々もそこまで馬鹿ではないので、きちんと専門家に話を聞くようにしました。

企業のサステナビリティ担当者や、サステナコンサルなどサステナビリティに関わる企業の人間とお話をしました。

しかし、毎回ぶち当たる論点は「これってユーザーが使うんですか?」

でした。

それに対する回答は、「やってみないとわかりません」

です。

で、大体の会議は、先方はその疑念が解消されず、我々は気持ちを主張して終わる、というものでした。

スタンスをとることと捨てること

物事について語る時は、会社とかいろんな立場においてポジショントークは発生すると思っていて、議論の前提となる論点みたいなものが存在すると思っています。

我々の前提となる論点は、「環境に良いものはユーザーが使いたがる。かつ、誰しもがお酒など好きなものが必ず1個はあって、それが環境にやさしいとなれば選んでくれる」

でした。

このスタンスをとること自体は議論を進める上では必要だったのですが、そうやって理論構築しているうちに、後に引けなくなっている感じがしました。

そして、会社の仕事終わり(24時)から毎日3時間実装するという生活をしばらく続け、ポチルモが完成しました。

大島、ラクルモやめるってよ

ポチルモが完成し、知ルモなど、枝葉のサービスも完成してきた時に、共同創業者の大島と気づきました。

「あれ、これ俺たちのやりたいことじゃない」

私と大島はもとより性格がそこまで良くないので、基本的に物事を斜めに見ています。

その上で、サステナビリティだったりとかエコに対して真っ向から向き合うというのが性に合わない部分もあったのでしょうか。

元々はカーボンクレジットの文脈で始めたビジネスが気づけばただのポイント付きECサイトになっていて、ただのメディアになっていました。

ホームレスにお金をあげる人はどういう気持ちなのか?について検証するYoutuberになりかけました。

こうして、私たちの思い描いていたプラットフォームビジネスは人々の目に触れることなく消えました。

いつか私のローカルPCに残っている実装を公開しようかなと思います。

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