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1996年の今日のこと

週1回ぐらい投稿できたらいいな
とはじめたこのnote。
気づけば1カ月以上経ってる。

間があくと、何を書こうか迷うもので
「あれかな」「これかな」
と考えていたら、
ふと、30年近く前の今日を思い出した。

静かな住宅街、いつもどおりの朝

その朝は、いつもどおりの出勤時間に家を出発。
実家住まいだったので
最寄り駅までは15分の道のり。

高校と小学校が隣り合わせに立つ
見通しのいい坂道。
スクールゾーンに指定された道路は
朝夕の時間帯は指定車しか通ることができない。

私の出勤時間は、
子ども達の登校時間にはまだ少し早いので
歩いている人もチラホラ。
いつにもまして静かな朝だった。

覚えているのは、ブレーキ音だけ

歩き始めて5分もしないうちに
「キーーーー」
という車のブレーキ音が、
耳をつんざくような大音量で聞こえてきた。

何かが後ろから迫ってきたような
気がしたけれど
その後のことは、何も覚えていない

どれぐらい時間が経ったのだろう。
「道明寺さん、道明寺さん・・・・」
誰かが私の名前を呼んでいる。

うっすら目を開けたら、
救急隊の人が、
「分かりますか? 分かったら手を握って」
と言っている。

どうやら私は、後ろから来た車に
はねられたらしい。

泣き叫ぶ母の声で目が覚める

次に目を開けたときには
救急車の中だ。
指に何かを巻かれ(血圧計だったらしい)
寝かされている。

足元を見ると、
血相をかえた母が大混乱になって
泣き叫び、何やらまくしたてている。

どうやら近所の人が、
実家に知らせに行ってくれたらしい。

意識はぼんやりしているのに
「そんなこと言ってもどうにもならないよ」
と、頭の中でやけに冷静につぶやいてみる。

そのまま救急病院へと搬送され、
全身あちこち検査を受ける。

頭部外傷と左脚剥離骨折、全身打撲で
全治6カ月と診断。
頭にグルグルと包帯を巻かれたせいで
まるで重大な病気を患った人みたいだなと
鏡にうつった自分を見てそう思った。

グルグル巻きの包帯は約2週間ほどつづき
通院の際にタクシーを呼ぶと、
どの運転手さんも
「できるだけ静かに走りますね~」
と、すごーく気を遣ってくれて
申し訳ない気分になったことが忘れられない。

謝罪に来た人を見て、さらなる驚き

診断を受け、通院生活がスタート。
それと同時に、私をひいた運転者が謝罪に来た

ちなみに、事故を起こした原因は
スピード違反だったそうだ。

朝の7時に、スクールゾーンでスピード違反って
きっとまともな奴じゃないと
家族全員、そう思っていた。

その人を見て、家族一同騒然。

なんと、
実家の裏に住んでいる、姉の同級生だったのだ。
といっても、特に仲がいいわけではない。

それでも、
子供会やら夏休みの朝のラジオ体操やらで
小さい頃から顔ぐらいは知っている仲だ。

一緒に来た父親だと名乗る男性が
「スピードの出し過ぎには気を付けるように
常々注意していたのに、申し訳ない。
これを教訓に‥‥」
といった感じのことを話していたことは覚えている。

でも、その瞬間、うちの両親が
「教訓って、なにほざいているんだ・・・・・」
と大激怒。
謝罪を受けるどころではないのは言うまでもない。

1か月後、事情聴取に呼ばれる

交通事故に合うと、
被害者も事情聴取に呼ばれることを知ったのもこのとき。

事情聴取が始まり
警官に言われた最初の言葉が
「あの状況でよく無事だったね。
てっきり亡くなったかと思ったよ。
運が強いね~

「はて?
そんなにひどい状況だったんだろうか?」

いかんせん、何も覚えていないから
事故の状況も理解していなかったのだ。
状況を説明されて、はじめて青ざめた。

血の毛が引くってこうゆう感じなんだろうか?

どうやら私が事故にあった現場は
すぐ横が高校の巨大な壁で
ぶつかったときに、その壁に激突していたら
100%亡くなっていたはずだと。

私の場合は運よく(いいのか?)、
前に飛ばされたことで
壁に激突を避けられたというわけだ。

家に帰って、私が事故にあった日に
事故現場を見たはずの弟にその話をすると
「あ~、姉ちゃんをひいた車、大破してたもんな」
と言うではないか。

そうなの?
そんなにすごい事故だったの?
なんか、聞かなきゃよかったかも。

それにしても、何を聞いてもまったく思い出せない。
自分の身に起こったこととは思えない。
不思議なものですよね。

うるう年だったから、なおさら忘れられない

ところで、なんで今日、こんなことを
ふいに思い出したのかというと
今年がうるう年だから。

実は事故にあったこの日の夜は、
前日の2月29日に誕生日を迎えた先輩の
4年に1度だけのお誕生日会
参加する予定だったんです。

だから
余計に忘れられない1日になってしまった

ですが、この時はまだ知らなかった。
このあと、人生で3度も交通事故にあうなんて。。。
想像もしていなかった。


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