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青天の霹靂54(16進法5)

「1247は残念ながら、スマホのロックキーじゃなかったわ。それどころか、あの子スマホにキーを掛けてない」
「じゃあ、スマホに意味深な文面は?」
「それもないな。あったのは友達と映っている写真だけだったし、メールも他愛ない友達とのやり取りだった。通話の履歴も不審な者はない。仲の良い友達と家だけだ」
「何もないか?」
「ないな。まあ、また何か思いついたら電話くれ」
そう言って廉夏はスマホを切った。
「何もないって」
「そうですか? では、1247を2進歩に直して見てはどうでしょう?」
「2進歩か? でも、ロックキーにしては長いよね」
「そうだね。10011011111ですもんね」
冬眞はすぐさま言う
「うわ~、すごい。瞬時だね」
「たぶん、廉夏さんもこのぐらいには、なれますよ」
「そうかな?」
「そもそも16進歩にだと思ったのがそもそも、違かったのかもしれませんね」
「えっと、ダイイング・メッセージは、確か4df。何だろう?」
「分かりません。でも、それをすぐ味わってしまってわ、勿体無いでしょ?」
冬眞は夏海を納得させる様に言う。
「そうよね。優香なら、きっと意味があることを残しているわ」
「そうですね。南さんなら残してますね」
「でしょ?」
楽しそうに夏海は言う。
あの子の最後の言葉は何かしら? 殺されることへの悔しさとか、それとも仕方ないと、潔く受けいれてるとかかな? 夏海は首を傾ける。
「これって、16進法だけじゃなく、昔流行ったポケベルって言うやつじゃない」
「ポケベルなら1247は《イq》ですね」
「《イq》って何?」
「何でしょうね? もしかしたら、僕達は、そもそも難しく考え過ぎなんじゃありませんか?」
「どういうこと?」
廉夏が聞く。
「素直にこれが人の名前を現していたとしたら?」
「じゃあやはり4dfは、誰かの名前ってこと。だけど、当てはまる人いないよ?」
「本当に? これが犯人をさしたものじゃ無いなら、当てはまる人もいるんじゃありませんか」
そう冬眞に言われ、廉夏はハッとする。
「何かを預けたとか?」
「心当たりありそうですね」
「それなら、彼女と仲良かった子が4年D組にいるわ」
「誰ですか?」
「深川(フカガワ)さんよ」
「それですね。しかも、4df だ」
「じゃあ、早速その深川さんとやらのところへ行こうよ」
「そうですね」
冬眞は返事をし、及川も頷く。
「ああ」
「深川さん家って、ところでどこ?」
ハハハハハと、乾いた笑いを冬眞は浮かべる。
「廉夏はさんらしいですね」


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