「しゃべりすぎた男」
古舘伊知郎著「MC論」読了。スポーツからバラエティ、報道までを渡り歩き、当代きってのトーキングマシーンとして他の喋り手を圧倒している著者による冷静かつ熱意あふれる珠玉のMC論。
大橋巨泉、関口宏、タモリ、明石家さんま、爆笑問題、山里亮太、村上信五(関ジャニ∞)……古今東西、時代と世代を超えてあらゆる名MCをトークという俎上に乗せ、独自のボキャブラリーを駆使して縦横無尽に語り尽くす筆力はもはや神業の域である。タモリや明石家さんまといった大御所MCの貴重すぎるプライベートなエピソードが随所に盛り込まれ、記録資料としても価値がある。大橋巨泉に至ってはもはや歴史上の人物だが、本人のエピソードと合わせてテレビ黎明期の時代背景が語られ、トリビア的要素としても興味深い。
芸人についての考察が多い一方、MCということでツッコミ芸人が目立っており、ボケのほうの比率が低いのが個人的にはやや残念。次回作があるとすれば有田哲平など、ボケ芸人も積極的に取り上げてほしい。
(取り上げてほしいMC)
有田哲平
太田光
三村マサカズ
若林正恭
設楽統
おぎやはぎ
小峠英二
上岡龍太郎
上沼恵美子
伊集院光(ラジオ)
霜降り明星
ナインティナイン
古舘伊知郎(本人)
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