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「ちょっとだけほっこりする話」

重度身体障害者の身で1人で外出すると不愉快な思いというか、心が削られる経験をすることも少なくはないが、何気ない優しさに心がほっこりすることも多い。

まずは、駅。

電車に乗る時はいつも、サービス介助士の資格を持った駅員に改札からホームまで案内してもらうのだが、季節の変わり目などに「急に暑くなりましたよねー」なんて声をかけられるとやはり嬉しいし、こちらも自然と笑顔になる。外出が比較的短時間の日は行きと帰りで案内のスタッフが同じだったりすることも多く、「お出かけ、楽しかったですか?」などとさりげなく言われると嬉しいというか、何となくこそばゆいような気持ちになってしまう。

あるいは、銀行。

ATMでお金を下ろす際はいつもスタッフに介助を頼むのだが、ある日、通帳とキャッシュカードを取り出す時に顔なじみのスタッフから「リュック、新しくなりましたね」と言われた。

ちょうどその前日に、高校時代から使い込んだリュックを大容量のリュックに買い替えたばかりだった。

わずか数秒にも満たない、取るに足らないやり取りだったが、「そこまで見てくれていたんだな」と嬉しく思ったことを今でも覚えている。

心がじんわり暖まるとは、こういうことなのかもしれない。

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