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人間の目はアテにならない

先日、業界団体の会合にて東京大学大学院薬学部教授である池谷裕二氏のお話しを聞く機会がありました。
薬学部の方なんですが、お話の内容は『AIについて』という事でした。
AIは人間の仕事を奪っていく!という話を聞いてから久しいですが、現状の把握とこれからAIがどんな方向を向いて進んでいるのか知る良い機会となりました。

目の錯覚

人間って見えている様で見えていないというのは有名な話ですが、形や色に限らず動きも『事実を事実のまま受け取る』という事ができないみたいです。
下の絵は有名なだまし絵ですが、若い娘と老婆が見えるという絵です。
擦り倒された絵だけに、答えが分かっていて両方とも見えますが、初見ではどちらかしか見えなかった記憶があります。

ずーとみていると老婆にしか見えなくなってしまった・・。

『事実を事実として受け取れない=思い込み』

人間は事実を見て自分の経験や思想などに基づき、思い込みで解釈をする様になっているようです。
つまり、これって大人に近づくにつれて思い込みが強くなるってことですね。

思い込みと表現すると悪い様に捉えられるかもしれませんが、これは決して悪い事ではなく『たくさんの物事を覚えられないが、カテゴライズして記憶する』ことが可能になります。
あまり脳の容量を取らないで効率よく使うイメージですね。
物事を事実で判断するのではなく、カテゴライズしたものでざっくり記憶して、項目が出てきたときに概念的に照合して精査するという感じでしょうか。
脳って上手くできているんだなぁと感心しました。

AIの情報源はビッグデータ

AIはビッグデータを元にディープラーニングを繰り返し成長していきます。
つまり膨大なデータ(事実)を記憶し傾向を読取って判断をしていきます。
なので事実に基づいた正しい答えが導き出せるという事になります。
ちなみに、AIがここ最近注目される様になった要素は『画像検知』ができる様になった事だそうです。
これまで数値化されたデータでしか学習することが出来なかったAIが画像で認識できる様になった事で、より人間に近い感覚が得られる様になったことは大きな進歩の様です。
※自動運転もこの要素が大きいのかもしれません。

AI vs 人間

話を聞けば聞くほど『データから導き出される正しさ』では人間は圧倒的に不利であり、既存の仕事の内49%が10〜20年で無くなると言われる意味がよく分かります。
要は人間がAIでできてしまう仕事ばかりを頑張ってこなしているんだなぁ〜と。
データを元に傾向を導き出す、繰り返しの作業を素早く行う…こういった類の仕事が評価される時代になっており、この仕事のウェイトが全体の約半数とう事だと理解しています。
そういう意味では、人間はある意味AIとの戦いに負ける事になりますね。

失業率はどうか?

AIとの戦いに負けた人間は失業して終わりでしょうか?
人間が負けたなら仕事にありつけず失業率が上がり続けるはずです…が、産業革命で自動化によって人間の仕事は奪われるという論争もあった様ですが実際はそうはなっていない様です。
現に今も完全失業率は3%前後で推移しています。
どうやら既存の仕事は奪われるということは事実な様ですが、それと同時に多くが転職し役割変更していったという事なのかもしれません。
ということは、新しい技術や産業が生まれることは新たな仕事や役割を生み出しているという事なのかもしれません。

役割分担とマインドシフト

上記の様なことを考えると、AIと人間は真っ向勝負で戦っている訳では無いと思います。
もちろん既存の仕事の大半がAIにとって変わられる事には違いないですが、新しい技術が生まれた事による『人間と技術の役割分担』なのではないかと思います。
つまり、データに基づく正しい判断や繰り返し作業はAIに、人間は人間と関わり合いデータや画像では分からない暗黙値を扱う仕事にシフトしていくんだろうなと思います。
今私が所属している経営実践研究会では『共感という名の資本』を元に事業を展開するという時代がやって来ると捉えて会員メンバーと共に実践しています。
やはり人間を幸せにできるのは人間でしかなく、自分自身の存在意義や生きる目的は人間との関わりの中にしかないのだと思います。
そして技術や技術を活かしたプロダクトは、そういった人間の幸せや関わり合いを深めたりキッカケとなるものであって欲しいと思いますし、私自身も製造業としてそうありたいと考えています。

その為に弊社は今までの商流とは別にはユーザー様や、地域の方々、そして社会に目を向け関係性づくりにチャレンジしています。
企業は規模の大小ではなく、その関係性にあると思います。
負け惜しみに聞こえるかもしれませんが、大きな金額を扱う満足感よりも、多くの人を巻き込みどれだけの方にお役に立てた達成感をみんなで共有できるようになりたいと思っています

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