見出し画像

全日本剣道選手権大会②

前回からのつづきです。

準決勝は警視庁の竹ノ内選手です。
剣道好きな方はもちろん、一時期リポビタンDのCMに出演されていたので剣道未経験の方でもご存じの方はいるのではないでしょうか。
開始から3分が経過したあたり。
棗田選手が片手突きからの面。
恐るべき反応速度で胴に返す竹ノ内選手。
若干面が早かったように見えましたが旗は上がりません。
それにしても竹ノ内選手の反応は恐ろしいです。
あのタイミングは完全に面に乗られるところだと思うのですが、逆に返し技を狙うメンタル。
それに加えて反射神経、体のつくりができていないとあの場面であの動きはできないと思います。
この返し胴を見て僕は既視感を覚えました。
少し話はそれますが、それは2014年に竹ノ内選手が全日本を取った時の決勝。
相手は福岡県警の國友選手。
あの安藤翔選手を大将に据えた国士舘大学が、全日本で優勝したときのレギュラーメンバーの1人です。
試合時間の後半、竹ノ内選手が一本目をとったすぐ後のことでした。
國友選手が竹ノ内選手を追い込んでいき、面を打とうとした出鼻に面。
あれだけ追い込まれていてもあの出鼻面が打てるのは意味がわかりませんでした(褒め言葉です笑)。
普通打突する態勢を確保することはできないと思います。
ましてや防御するにしても打たれる可能性があるタイミングです。
國友選手としてもあそこで面に乗られるとは全く想定していなかったと思います。
竹ノ内選手の剣道センスがいかに凄いかが、改めて実感できた瞬間でした。


その竹ノ内選手に今大会で黒星をつけた棗田選手の一本です。
竹ノ内選手の突きが決まらなかったところを見逃さず、態勢が崩れたところに引き面。
しかもスローで見てみるとほとんど踏み込んでいない!
踏み込みなしであの打突力はすごいです。
しかも返しが速い!
突きを打たれた後は少なからず精神的な動揺があると思うのですが、それを感じさせない返しの速さでした。
その後竹ノ内選手は取り返しに行きますが、終始棗田選手のペースだったように見えます。
竹ノ内選手は竹ノ内選手で、得意の小手返し面を狙っていましたが、棗田選手に小手を打たせるところまではいくものの、面を捉えることができないようでした。
そしてそのまま棗田選手の一本勝ち。
優勝候補の1人、竹ノ内佑也選手を下しました。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?