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著者をジョジョのスタンドみたく操る『本を読む本』著 アドラー 訳 外山滋比古


本を深く読むことで、著者を自分の内に宿す。
時代や国境を越えて、偉大な著者たちが共通の問題について検討し、真実に至る。
そんな壮大な内容です。

1 問と答

問 本をどう読むか。
答 私が抱える問題を解決するために、過去に読んだ本の著者たちを
 同じ思想の土俵に上げて検討し、真実へと辿り着く。

2 読書の種類

①初級読書

 単語や言葉の意味がわかるレベル

②点検読書

 その本が何について書かれてあるかを分類できる。
 (機械的に樹系図やアウトラインで構造や取り扱っている題材を理解)

③分析読書

 本の核となる部分を捉えて2、3行で要約ができる
 (著者が想起する問題とその答えを知る。折り合いをつけて自分の言葉で   
  言い換えができるくらい深く理解する)

④シントピカル読書

 著者の思想を理解し、私の問題に対し著者ならどう答えるか、さらに他の著者ならばどうか、といった感じに多くの内なる著者を登場させ、著者同士で検討(脳内会議)させる。
 (私は、ジョジョのスタンド使いをイメージしました。脳内で
  クレイジーダイヤモンドとキラークイーンが戦っていました)

3 ビフォー 気づき ToDo

ビフォー

 本を読む。それ自体が目的でした。
 表面をさらりと読んだだけで、主体的になにかを得ようとする意識がありませんでした。

気付き

 もっと深く作品を読み込むことで、著者という偉人の知識だけでなく精神をも理解し、自らの内に宿った著者との対話により、真実に至ることができる。

ToDo

 四段階(初級、点検、分析、シントピカル)の読書を使いこなす。
 意識しなくてもできる習慣レベルにまで至る。
 最終的に自分が判断を下す(著者らとの対話を踏まえつつ)。

4 気になった部分

習慣化

 複雑な技術を学ぶため、連動する一つ一つの動作は、いったんすべて忘れてしまうくらいに習慣化することが、上達の近道。

ヒント

 なぜ考えるのか?
 それはすぐに理解できない言葉があるからです。
 しかし著者は理解を促すように書いてくれているものなのです。
 一番のヒントは、そのわからない言葉が書かれている前後の文脈にあるそうです。

積極的な受け身

 ハウツー本とは別に物語を読む際に心がけるのは
    一気に読む
ということです。
 世界観に浸り、小説や物語に溶け込むようにすることがいわば
    積極的な受け身
の姿勢です。
 なぜなら物語を読む目的は
    心を揺さぶられたいから
です。

5 余談

 「本を読む本」の著者は、本を深く読んで著者の精神に出会い、脳内で語り合うことで問題を解決していくと記しています。
 巨人の肩に乗るような感覚なのでしょうが、注意すべき点として、最終的に自分が判断を下すことが大切だとも書いてあります。
 心が豊かにならなければ学んだとは言えない。
 という部分に、ただ知識を吸収するだけではなく、思考することで自分の頭の中の畑を耕す。
 この作業が大事なのかと思います。



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