見出し画像

お悩み電話相談

友達が仕事を辞めようか続けようかで悩んでいる。

世の中には正しい判断なんてものはない。あるのは個人の決断のみである。そこに至る個人の見解があるだけだ。

そうだよねーわかるよーどうしたらいいんだろうねー
で話を伸ばすことはせず、簡潔に
あなたが決めることで、その決断に対して誰が何を言おうと受け止めるしかないよ
とアドバイスした。
人の道とか世間ではとか私が言えた義理ではないからあくまであなたのしたいようにすればいいと話した。
専業主婦になってスポーツジムや料理教室に通いたいというのは人に話せば、表では
いいんじゃない、気晴らしになって
と言われるが、裏では
何様だと思っているのよ
と陰口叩かれることは今のご時世仕方ない。
誰も彼もワーカホリックで休みたいのは山々。働かなくて暮らしていける奥様はやっかまれて当然。そこに年金まで頂いている身分とあっては敵視すらされかねない。その重圧も近所付き合いのない、子供もいない彼女には無関係とあっては、私勝ち組なの宣言に等しい。
私は正直に世間知らずの彼女にそういった。
彼女は羨ましがられるなんて思ってもみなかったと心底驚いていた。
スポーツジムにしても料理教室に通うにしてもそこで有閑マダムとの付き合いが生じることを想像できない彼女がちょっと心配になった。
親御さんも旦那さんも障害者就労で働いた方が友達が幸せでいられるからこそ、そう言うのであって、決して無理をさせようという意図ではないだろうことは観てとれた。
私が彼女にできることは、その決断で想定されることを公正な目で伝えること。
私としては
それでもいい、やっかまれても優雅な専業主婦になりたい
という強さを持ってほしいところだけど。
まあ、転ばないように、今まであらゆる小石をご両親が、今は旦那さんが拾っているんだから、大人しく彼らの言うことを聞いて泣きを見ないようにするのもまた一つの人生。
私のように7回転んで8回起き上がった人生もあり、その転んだ痛さも死ぬほどではないことをわかってる分、先に何が起きても心配ないとおもえるのもまた一つの人生で
どちらがいいかなんて誰にもわからないよ。
そう言って電話を切った。

どう彼女が決断するのか。
どちらを選んでも彼女の人生である、私には立ち入ることができない。
ただ心から彼女の幸せを祈っている。