ピアノが家に(遂に)やって来た
その日は朝から、いや前夜からソワソワしていた。購入したピアノの配送業者からの連絡があり、待ちに待った納入配送の日時が確定したからだ。
偶然クリスマスとほぼ重なった。子供にプレゼントを用意してたけど自分にもサンタクロースがプレゼントをくれたようだ。
ピアノの設置場所
ピアノの設置場所は候補が2つあって、同じ部屋だが、当日まで置く場所を決め切れていなかった。結局ピアノ配送当日の朝、ピアノ設置場所を決めた。前夜家族と相談した結果当初予定していたもう一つの場所から変えることにした。設置場所のスペース確保のため子供のおもちゃの棚やらテーブルやらネットのケーブルやら洋服収納ケースやらをどかす模様替えを実施。部屋と設置場所を特にきれいに清掃し、受け入れ準備を整えて待つ。
ピアノ搬入
ピンポーン、家のインターホンが鳴った。予定到着時刻より30分弱早かった。
そしてピアノ専門業者により家への搬入が始まった。がたいの良い屈強そうな男性2人組で搬入経路を確認相談し、息の合った感じで段差や狭い箇所を乗り越え慎重にピアノを家の設置場所に移動する。たった2人で軽々とピアノを持ち上げるのすごい。自分だったら確実に腰をやる。
購入したピアノは重さ250kgとアップライトじゃかなり重い方でしかも正直家が古かったのと設置が和室だったので、運んでるときは家が大丈夫かも少し心配だったけど、敷板を置いたこともありいざ置いてみると何の問題もなさそうに見えた。
業者の人がとても慎重に設置のポジションを調整しインシュレーターを履かせてくれて設置が滞りなく完了。
家にピアノがあるなんて夢みたいだ。
大人になってから電子ピアノを購入しマイペースに練習をしてきた。しかし、常に本物のピアノに飢えていた。だから7年ほど前にピアノを始めてから本物のピアノを買うことをずっと夢に見てきた。
これまでは機会と時間があればレンタルスタジオに行ってピアノを弾きに行ったりもしていた。
いざ、家にピアノが置かれてみると、まだ現実感がない。夢みたいだ。
ピアノにはまだ保護シールが貼ってあり、ペダルにはケースがついていた。それらを慎重に外し、ピアノの鍵盤を押す。
音が鳴る。本物の弦が奏でる音色が家に響く。
いくつかいつもの練習曲を弾いてみる。あー、やっぱり音が違う。音の広がりと音圧と響きが表情豊かだ。
一つこれはむしろ自分にとっては良い誤算と言ってもいいが、和室だから音を吸うのか、思ったより音が大きくならない気がする。
隣家や周りへの騒音が気になると好きなように弾けなくなってしまうし、タッチも弱くなってしまうけど、これくらいなら昼間なら思い切り弾けると感じた。うちの場合、ピアノ設置部屋の壁の向こうにある隣家とは幸い距離がある。
ピアノのある生活
これから自分のピアノライフは充実していくに違いないという期待と裏腹に、高価な買い物をしたから元を取らなきゃ的な貧乏精神は捨て、そして自分に期待しすぎて練習が演奏が重荷にならないようにしないといけない。
そして、この喜びの瞬間のあとには現実が続いていく。
悲しいかなピアノが家にあるからといって自分のピアノがうまくなった訳ではないのだ。当たり前だが。
ピアノの音を奏でる純粋な喜びを感じながら、引続きマイペースでピアノ道を進んでいきたい。毎日1時間は弾けるかな。必ずしもうまくいかない日があっていい。何もかも上手くいく日もあれば何もかもが最悪だと思える日もあるだろう。
でももう少し続けてみたい。続けた先に何が見えてくるかをもう少し見届けてみたいから。
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