彼に沼った末に④

 
嘘をついていたことを
自分から
白状してしまった彼女は

パニックになりました。

最初は
お客さまでしたが、

実際にお付き合いするうちに
彼女は本当に

彼を好きになっていましたから。

ただ、
LINEしかわからない状況で
探しようがありません。

中目黒に住んでいる、
ということだけが
手がかりでした。

実際、

本当に士業なのかも怪しいと
考えなくもなかった彼女ですが、

好きになってしまった彼女は
連絡も取れず、

憔悴し切っていました。

前に好きだった
セラピストと遊びながら

人には言えない風俗の
バイトを続けていました。

外資を退職し、
海外への転職活動に力を
入れるつもりだったのに、

全く身が入らない状況でした。

私、ただの風俗嬢になってるな。

仕事としてはキライじゃないけど、

このままじゃあな。。。


空っぽのまま、
セラピストと遊び、
バイトに明け暮れて1か月。

なんと。

士業の彼から
電話が入りました。


「客として連絡したんだよ。」

「いくらだ」

「えっ。」

「付き合うとかじゃあない。

客として扱え。」



彼女からの連絡は

この経緯を最後に途絶えました。

お付き合いを再開できたのか、
客として会っているのか

あるいは、
また新しい男性と出会ったのか、

それはわかりません。

海外への転職活動も
どうなっているのかわかりません。

また何かあれば、
私に相談してくるのでしょう。

私は
美しく聡明な彼女が
なぜこのような生き方を選ぶのか

不思議でなりませんでした。

ひとり娘で、

海外に留学していて、

ずっと外資のクリエイター系の
会社でキャリアアップして

父親も母親も

それぞれ海外で事業をしている。

そんなグローバルな彼女が
どうして

男性に落ちぶれていくのか。

彼女はその時々で
泣き、叫び、
辛い、悲しいと嘆きます。

でも
もしかしたらこれは

彼女にとって
ゲームなのかもしれないと
感じる時があります。

悲嘆も
ゲームのワンシーン。

喜び愛欲に溺れるのも
ゲームのワンシーン。

恋愛RPG。

恋愛と肉欲の中で
彼女はきっと
何かを探しているとも
言えます。

寂しいことを
極端に嫌う彼女ですが、

実は、

寂しくないと
生きてる気がしない。

そんな倒錯が
彼女の生きがいなのかも
しれません。

ちなみに彼女は

一人息子を溺愛している
母親で、

大企業のCEOの
旦那さまが

いらっしゃいます。


続きはあるかないかは
わかりません


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