グッドオーメンズ視聴感想

閲覧くださった貴方。こんにちは。

いらぬ心配かと思いますが、こちら『グッドオーメンズ』のネタバレを多分に含みます。
どうかシーズン2まで視聴なさってからお読みになってください。


私はドラマでこんなにも心揺さぶられたのは久々ですごく、すごく幸せです。観終えて数日ずっと2人のことを考えると幸福のような感情に包まれます。2の終わり方はあまりに悲しく2人にとっても辛いものでした。しかしながら、この別れは(一時的ですが!)いずれ訪れるものであったのではないでしょうか。

天国も地獄も居場所がないが唯一、アジラフェルだけはクロウリーを見離さなかった。天使から悪魔になってもアジラフェルは彼を信じて手を取り合ってずっと何千年も側にいたのです。これがクロウリーの全てだと思います。

アジラフェルはどうでしょう。
彼は天国で天使として善を成してきました。ちょこっと悪魔に唆されても、いつだって最善を選んできました。炎の剣も、ヨブの子達も、本来行うべきの行動からは外れてましたが、最善でした。ガブリエルに嫌われても、彼を突き離さない優しさは誰がどう観ても天使でした。そう、アジラフェルはいつまでも天使だったのです。

これが決別の終わりを迎える理由ではないでしょうか。クロウリーはアジラフェルさえいればどこへだってよかったのです。天国も地獄もいらない2人だけの日々を欲していたのでしょう。他に誰もいらない、何にも縛られず自由に気ままに寄り添っていきたかったのだと思います。
しかしアジラフェルは神の下に在りました。
クロウリーが天使として善き存在になることは、アジラフェルにとっても嬉しいことです。クロウリーの良さを知っている彼だからこそ、クロウリーを正しく評価された事実に喜ばしく感じていたのでしょう。「神の下に」、一緒に素晴らしき天の施しをしようと提案するのはアジラフェルにとっての最善でした。
つまり、お互いの最善が大きく異なっていたのです。メタトロンの提案によってそれが決定打になってしまいました。


クロウリーがアジラフェルに渡したキスはとても愛に溢れ悲しいものでした。

そして私、キスシーンのあまりの衝撃展開に、人生で初めて映像作品で呻き声を上げながら頭を抱える事態となりました。
正直なところ、人間の愛情表現をするとは思ってもおらず、曖昧なまま、友情と呼ぶには歪んでいる関係性を続けるのかと思っていたのです。
このあり方もまた美しいなと好きな距離感だなと思って油断していました。



とんでもない!脳天をぶん殴られたかとおもいました。今でも見返してはのたうち回ります。



好きの前にキスをしてしまうところがクロウリーの不器用なところですね…。素晴らしい。

アジラフェルもまぁ〜なんてうぶなんでしょう。唇を触っている…!嫌であれば拭うでしょう。だからと言って嬉しい反応にもできず、どう受け入れるかを考えているような仕草がよかった…。どう観ても拒否の反応ではなかったので、上手くいけば、何事もなく上手くはずだったのに…!!

メタトロンー!タイミングが悪すぎる…!

シーズン1の道中、クロウリーのキザでかっこいい仕草に心を躍らせ、アジラフェルの天使らしからぬ人間らしい善性が微笑ましく楽しんで視聴していました。

が、シーズン2はどうでしょう。
クロウリーとアジラフェルの相互の想いが見え隠れする様は色んな意味でハラハラさせられ、私の感情はぐちゃぐちゃになっていました。こちらは天使と悪魔の全体的やりとりが1に比べて多いのでよりクロウリーとアジラフェルの関係性が深掘りされる話の展開に感じます。

初っ端から天使であったクロウリーを見させてもらって「まぁ!なんて可愛い表情!」と大興奮しながら天使の時期に思いを馳せてしまいました。悪魔の今はずっと眉間に皺がより、蛇の眼も相まって大変かっこいいので可愛い姿はやっぱりギャップ萌のようなありがたさがあります。

びっくりだったのが、ヒッチハイクのシーンですね。直接「付き合っている」と表現されたのに驚いたのですが、アジラフェルの反応にさらに驚かされました。違うと言わなかったのです。
時期的に手品ショーの話がシャックスの話題に該当するのでしょうが、別に付き合っていないと言っても問題はなくないですか…?一度、拒否すればクロウリーに不都合があるのかと考えましたが別に何もないので、シーズン2ではアジラフェルのクロウリーに対する想いが1より明確に強くなっていたのかと見るしかなかったです。

タイプじゃないと言われてるアジラフェル、気にしちゃうのでしょうか。

主役2人の話は一度落ち着いて全体の感想をば。

シーズン1は物語に一貫性があり、脇役も輝いていて、特に子どもたちが素晴らしかったですね。主役はアジラフェルとクロウリーですが、確かに子どもたちの活躍は物語の要でした。後半の時間の刻み方が細かく、ハルマゲドンの危機がよく伝わり緊張感のある作りです。
また、2を見たあとだと悪魔たちのビジュが結構凝ってるのがわかりますね。汚い、醜い、おぞましいが丁寧に作られていて一目置くデザイン。天使の洗礼された美しさと対になっていて素晴らしいデザインです。
また、神の声がギャグテイスト?のような少し無慈悲さのある言い回しで「人ならざるもの」といった感じで良いアクセント。サタンの声がベネさんだと知った時はもっと活躍が欲しいな〜とおもってしまいました。どうか3ではベネさん本人が出てきてくれたらSHERLOCK好きとしては感極まるものです。ベネさん好きなのでどうか…!あと普通にルシフェルもといサタンの人間の姿が気になるのでいつか見たいです。

シーズン2は物語メインではなくキャラクターが立っていたので気軽に見返しています。
なんとなく一つの物語と言うより、個人個人の物語をテーマにしているのかなと。恋物語のようなテイストが強かったですね。ポリコレ意識している〜との声もありましたが、クロウリーとアジラフェルの奥手すぎる関係性を一歩前に進めるには周囲の関係性の変化を目の当たりにしていくのが一番なのかなとおも思うので、私は気になりませんでした。恋愛にしなくても友愛でもどちらでも好きなので、シーズン2は良かったと言えます。

上記にあるように少し残念なのが、悪魔たちの見た目です。シャックスが例に挙げられますが、悪魔にしては見た目が綺麗になっていました。キャラを好きになるにはやはり多少綺麗な方がいいのでしょうが、天使と悪魔の物語としては悪魔らしい1のデザインの方が好きでした。シャックスの性格を見ると汚い方が合わないのかもしれないですが。(フルフルとのやり取りより)

まぁ、2はムリエルの存在感が強かったですね。あれは神の遣いである天使というには無垢過ぎますが、駆け出し下っ端の頑張る姿がとても愛らしいです。私の好きなキャラクター性なので、クロウリーとの絡みが微笑ましく好きです。特に下の階級がいると知った時のムリエルの反応と、それに対するクロウリーの軽い小突きが仲睦まじい兄弟のような感じで見る度に笑顔になってしまいます。ムリエルがいると世話焼きなクロウリーが垣間見えて大変嬉しいもの。アジラフェルほどではないでしょうが、きっと相性が良い!
こちらもシーズン3に期待です。

ガブリエルの挙動が以前では在り得ない優しさで溢れてて、大天使という地位を得る前はこんな感じだったのかなと。アジラフェルにとって嫌われていた人に「I love you」と言われるのは複雑でしょうが、素直な言葉を送れるガブリエルはなんとも素敵に見えました。

これは議論の余地がありますが、ベルゼブブが2ではかなり女性的に描かれていたのは引っかかります。というと、1の勇ましい少年のような容姿に囚われているのかもしれませんが、少なくとも女性らしさはなかった気がします。(キャスト変更に対して不満はないですが)1のビジュがかなり好きなので2の綺麗な女性になったのは少し寂しくなりました。容姿を変えられる設定があるので全く違和感はない変更ですね。好みの問題ですし、それに2はアイメイクが凝っててそれもまた好きです。かっこいい中性的な人が恋で女の子らしくなるのが、どうも寂しくて受け入れるのに時間を要します。否定はしません。

また、個人的にハスター公爵が結構好きだったので2では出番が無かったのが非常に残念です。きちんと手を上げて疑問を述べているシーンが可愛かった…!クロウリーとの対峙シーンでは、仲間が聖水で浄化された時の動揺する様が悪魔公爵としてはなかなか幼く可愛い。う⚪︎こ臭いと言われてるところを見ると、可愛いなんて言えたものではないのでしょうが…。
あとアダムですね。彼が1で出番を終えるのは納得ですがキャラ性が好きだったので、また会えたら嬉しいなーと思ってます。是非是非。

私自身あまりドラマを見ないのですが、シーズンごとにキャストが大きく変わるのはよくあることなのでしょうか。
大好きなドラマの『SHERLOCK』ではそうではなかったので少し驚きました。
世界観が広がる感じがある意味楽しめますね。

『グッドオーメンズ』は、1と2で楽しみ方が変わってくるのも面白いポイントでした。どちらも評価は高いのですが、2はクロウリーとアジラフェル、その他キャラクター一人一人に焦点が当たっているのでやはり見るなら1からでしょうね。2から見ると物語が部分ごとに展開されてる都合上少し謎が増えてしまうかもしれないので…。

アジラフェルよく見たら目の色が綺麗ですよね。髪の毛白いなー全体的にまんまるでふわふわしてるなーとか思って見てると、ふとした時に目がキラキラしてて素敵!ってなります。あと鼻がべらぼうに高い。高すぎて斜めから見ると若干目が隠れてます。これはアジラフェルと言うよりマイケル・シーンさんの話ですが、鼻の形が自然で綺麗ですよね…羨ましい。クロウリー役のデイヴィッド・テナントさんの鼻はスッとした感じですが彼の方が鼻というより口の形が好きです。
話は戻って、アジラフェルの所作はとても洗礼されてて焦った時でさえ品の良さを感じさせられます。綺麗でいようとしてギロチンかけられちゃうのはお茶目通り越して危なっかしいです。クロウリーがいて良かった!

余談ですが、イラスト見るとたまにアジラフェルの目に星があるのですが、あれは何かファンの方で発見があったのでしょうか?まだ好きになって日が浅いのでまだまだ楽しみがありそうですね。


クロウリーの衣装が沢山あるところも見どころポイントです。スタイルがいいのでどんな衣装も様になってて似合います。最初のアダムとイブのシーンが好みでした。髪型とヘビの眼がとても良くあっていてスクショして保管しました。アジラフェルがギロチンにかけられそうになった時のクロウリーのサングラスはチンピラ感強くてそこも好きです。あと髪型が驚くほど似合っていない上胡散臭さが増しているのも良さですね!
クロウリーのガラの悪さがとても好きですが、顔自体目が大きくて可愛らしさがあって好きなので天使の姿は最高です…!表情豊かなクロウリーはいつ見ても素晴らしく楽しそうで、ずっとアジラフェルと寄り添って笑っていて欲しいな〜…


ふとした時に、何もキスしなくても他に表現方法はあったのではないかと思ってしまうのです。

しかし、天使と悪魔といった人外である存在が人間の愛情表現をするのは人間に近い生活をしてきた彼らの物語の良い終わり方でしょう。
そして結ばれなかったのも個人的に良かったです。あの場で結ばれてしまうとクロウリーの信念のようなものが揺らいでしまうと感じるので。そしてアジラフェルが結局は神の遣いなのだと痛感させられるところも。

アジラフェルが悪魔のクロウリーを雨に濡れないように羽根で守ったのも、天使のクロウリーされたのを覚えていたからでしょう。クロウリーがアジラフェルを真っ先に助けるのもアジラフェルがいつまでも信じてくれるから。彼らはずっと、それこそ宇宙の生まれた時から支え合ってきていました。その形が人間との関わりで少しずつ変化していたのがよくわかるエンディングでした。

どんな形であれ幸せな2人を願っています。

新参者ですので、しばらくはまだ知らない見逃したグッドオーメンズの情報を追って日々の楽しみを作っていこうと思います。シーズン3はいつになるのか、楽しみです!

きっとシーズン3ではハッピーエンドになるのかもしれませんが、さらなる素晴らしい物語を見せてくれることを期待してまっています。


それではまた。良い兆しが見れることを。

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