ヒューマンエラー対策は、やりすぎて損はないけれど、忘れない程度にはミスが必要?

スタッフがブチギレていました(続)。
思いついた事柄が多すぎたので、切り分けて個々に書き出すことにしました。

『何回言えば、間違えずにできるんだ』
『できないならやらなくていい。触るな』
そんな感じで怒りを露わにしたメッセージに、内容が無いと判断しました。怒っていることは分かりますが、このメッセージは、問題を解決できるような内容でしょうか。


『何回言えば……』
これは書いた当人の感想です。
他人の視点からは、違う見え方や事情があるかもしれませんね。
個人の感想は問題解決への出発点にはなるでしょうが、具体的な解決案とはなりません。


『できないなら……』
これが解決案と言えるでしょう。
確かにミスは起きなくなるかもしれません。
しかしこれは、解決案というよりも、その場しのぎで問題位置をズラしただけ。案としては赤点だと、自分は思います。

できないスタッフを排除していけば、当然、できるスタッフが限られてしまい、その人たちへ作業が偏ります。分担と言えば耳触りはいいですが、しかしデキる人がいなかった場合は、作業は止まってしまいます。流れとしては、よろしくありません。個人の作業量問題に見えたことが、全体の問題にも変わりそうです。

また、人は流動的です。デキる人が居続けるわけではありませんし、新しく入る人もいます。仕事を教えても、アタリの人材を引くまでは戦力が増えない可能性もありえます。
これもよろしくありません。


大前提として、ミスをしない人間は存在しません。
人間である以上ミスを犯します。
このことは何よりも重要です。何人もの人間が関わってくる現場や作業ほど、難しくなっていきます。
だからこそ、ミスが起きにくい手順を構築・改善していくことが大事になると思います。
今回の件は、その辺りについて何も言及がありませんでした。
手順の再周知、もしくは仕組みの改善か更新について、何一つ含まれていないのです。当然、このままでは再度、同じミスが発生することでしょう。
改善が見込まれない以上、スタッフのメッセージはお気持ち以上の代物とは呼べないのです。


精神論やお気持ちでは、ミスを無くすことはできません。
予め、ミスが起きにくくなる手順を組み込むことでしか対策できず、それでも完全には防ぎきれません。
・ミスを事前に潰すシステムを構築する。
・システムを徹底的に周知して、必須で実行する。
・ミスが起きてしまった場合でも、対処できる受け皿的存在を用意しておく。
具体的な内容については、各職業や業界によって違うでしょうが、大まかにはこのような方向になるのではないでしょうか。ちゃんと調べたわけではないので、抜けがあると思いますが。

大まかにこの流れを踏まえれば、ミスの発生率も1割ぐらいには抑えられるのではないでしょうか。
人命が関わることならば、更に何重にもシステムを重ねるでしょうが、それでも絶対に無くすことはできないでしょう。
人間が起こすミスとは、とても巧妙で恐ろしいものと認識しておいて、損はありません。


自身に跳ね返ってくる話です。
できないなら……などと言っていると、自身もミスを犯すことができなくなります。
それぐらいの緊張感があったほうが良いと考える人もいるかも知れませんが、それはあまりにも自身を基準に置きすぎているのではないでしょうか。
常に気を張り続けていられる人間はいません。自身を含めた人間という存在を、まだ把握しきれていないと思われます。

また外的要因によるミスも十分ありえます。その場合、なんと説明するのでしょう。このような理由だったと説明するかもしれません。ですが、周囲がちゃんと話を聞いてくれる保証はあるでしょうか。
話を聞いてくれない人が、『ミスをするなら触るな』とか警告してくるかもしれません。

もしかしたら、今回ミスを起こしたスタッフも、思わぬトラブルがふりかかったのかもしれませんね。


なんやかんやと書いてみましたが、自分としては『ミスは起きる』という考えなので、正直そんなにブチギレても腹が減るぐらいの感想です。
しかし、この『ミスは起きる』という考え方が受けつけられない人たちが、肌感覚ですが、かなりいると思います。
このあたりも、何かしらまとめられたらと思います。


ダラダラとした与太話に、お時間をいただきました。
読んでいただき、ありがとうございます。

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