冒頭に前書きを追記・つぶやき物語【相続1~相続20】のバックナンバー。※物語のf最初からお読みの方・途中から読まれ方、こちらもご一読頂けると、大変有り難いです。

【前書き】
私の母には、夫に先立たれた上に子供の居ない姉が2人、居る事は以前から知っていました。
母は生前、「私が姉たちより先に亡くなったら、迷惑を掛けると思う」と言っていましが、それか現実となったのです。
その結果、この相続問題と長期に渡り携わる事になったので、その経緯を纏めたいと考えました。
そこで、『note』への投稿を始めた事が契機となり、『つぶやき物語』として連載する事を思い付いたのです。

相続1【降って湧いた相続案件】
「相続なんて私には」と思う方も少なくないと思うが、結婚はしていなくても親が居る筈だから、必ず関わりを持つ。
私は父と母、2回に渡り相続を経験したので、当分は無いだろうと考えていたら、従兄弟からの電話で私が相続人とする案件が突然、目の前に現れたのだ。

相続2【従兄弟からのSOS】
亡母に子供の無い姉が居て、彼女が施設に入ったと従兄弟から電話が鳴った。
同じ県内に住む彼は、以前から彼女の世話をしている。
彼女には弟が居るが、高齢で遠くに住んでいて当てにならず、私へ助けを求めたのだが、「結構、貯金が有る」と、私の気を引こうとした。

相続3【相続人を特定したら9人】
叔母が施設に入ると、近い将来に発生が予想されるのが相続で、私はまず相続人を特定。夫は亡くなり子供の居ない彼女の相続権は、親が亡くなっている為、5人の兄弟姉妹へと移る。その内3人は亡くなっていたので、その分は子供へ代襲され、結果的に9人と判明。

相続4【不動産は負の動産】
叔母は専業主婦て、数十年に渡り独りで暮らし、自宅は夫の父名義の土地に夫が建てたが未登記。
更に夫は田舎で生まれ育った関係で、夫名義の田畑が有り、固定資産税は叔母が払っているが、相続登記は放置状態。
従兄弟から聞いた情報で、とても嫌な予感が脳裏を過った。

相続5【ここで私の経歴を少し】
かつて法律事務所で10年、順に土地家屋調査士、司法書士、社労士、行政書士の補助者として勤務。
登記法や民法等を学び、実務で相続~帰化と多岐に渡った。
相続案件では最多17人の相続人を扱ったので、「身内9人なら楽勝」と思ったがそうは問屋が卸さない。

相続6【従兄弟の頑張り】叔母が施設に入るに際し、その世話や保証人となったのが、唯一同じ県内に住む従兄弟。
彼は以前から彼女の外出時には車を出し、彼の母に代わりお世話役。
その母も数年前に亡くなり、叔母の弟は他府県に居て、彼とは不仲。全てがのし掛かる彼を、私は助けねばと思った。

相続7【預金情報】
叔母の施設入所費用の支払いは、JAの担当者が来て、自動引き落としにしたとの事。
ただ彼女は他3行にも預金口座を持っていたが、全てキャッシュカードを有していない為、本人以外はお金の引き出しが困難。
私は従兄弟が経費の肩代わりをしない様にと策を練る必要性を感じた。

相続8【相続と士業】
本編と離れて、相続案件が発生した際の依頼先について少し分析。
遺産分割で揉めたら弁護士、相続税が発生する程の遺産なら税理士、不動産の相続登記なら司法書士、余り用が無いのが社労士。
相談料や費用の多寡はその資格取得の難易度に準じるので、コスパ良いのは行政書士。

相続9【相続と弁護士】
弁護士に相談するなら、まずは弁護士会の、続いては市区役所の無料相談がお勧め。
しかし少し込み入った内容になると、「続きは私の事務所へ来て頂いて……」と、有料ゾーンへ連れて行かれがち。
弁護士への相談は30分で5千円前後掛かる為、依頼するのは最後の最後かな。

相続10【相続と税理士】
相続税が発生しない遺産額なら、そもそも税理士へ依頼の必要は無い為、まずは申告の必要性を調査。
所轄税務署へ電話し、『相談センター』へ繋いでもらって相談。
なお相続財産のうち注意すべきは不動産の評価で、確定出来るのは税理士の為、微妙な金額の時は依頼が必要。

相続11【相続と司法書士】
相続財産に不動産が有り、売却する場合はその前提として相続登記が必要で、その際には司法書士へ依頼。
土地について境界確定が必要な場合は土地家屋調査士へ依頼。
ただ売却処分しない場合、相談登記をせずに放置されるケースも多く、地方では大きな問題となっでいる。

相続12【相続と社労士】
相続案件に社労士が必要で無いのは何故かと言うと、社労士には代理権が無いから。
その為、相続人を特定する為に必要な戸籍謄本や住民票を取得する際の『職務上請求』が使えない。
遺族年金の請求や老齢年金の未受領分の請求が有っても、年金事務所で丁寧に教えてくれる。

相続13【相続と行政書士】
相続では相続人特定が重要で、その為には戸籍謄本や住民票を大量に掻き集める必要が有るが、それを相続人が行うと時間が掛かる。
その際に行政書士へ依頼すると『職務上請求』を使って取得し、最終的に遺産分割協議書等を作成。
※多少の揉め事なら解決への介入も可能。

相続14【叔母の体調急変】
最初の連絡から数ヵ月後、従兄弟から「体調が悪くなったので施設から病院へ移った」と再び電話が有り、私の心配は杞憂では無く現実味を帯びて来る。
まず私は不測の事態に備え、遺体引き取り~葬儀に納骨や法事等、独り暮らしの叔母を取り巻く環境についての調査を開始。
 
相続15【費用の捻出】
施設入所の保証人になった関係で、引き続き入院に際しても従兄弟が保証人となるが、入院費用については都度の支払いが必要と判明。
お金に余裕の無い彼に費用の肩代わりをさせない為に、JA担当者への依頼を指示し、結果的に転院時は特別扱いで百万円の預金引き出しに成功。
 
相続16【いざという時の準備】
叔母の体調が思わしくない現状、もし急変すると対応出来るのが、叔母と同じ県内に住み、お世話して来た従兄弟だけなので、その際の手筈を彼と打ち合わせる。
急に亡くなった場合は遺体を預かってもらえる葬儀社が必要だが、彼には心当たりが有る様で、まずは一安心。

相続17【納骨は何処のお墓へ】
自宅近くに有る亡夫のお骨が納められるお墓は叔母がお世話をしているが、夫側の親族は近くに居らず、亡くなって数十年の年月が経過しているので、法事へも誰も来ないとの事。
従兄弟の家からも車で1時間掛かるそのお墓に納骨すると、彼だけに負担が重く伸し掛かる。

相続18【相続放棄と財産放棄】
従兄弟から放棄をしたい相続人が居るとの情報から、手続きについて調査。
相続放棄は、相続開始を知った時から3ヵ月以内に家庭裁判所へ申請が必要等、簡単では無い。
厄介な財産が無ければ遺産分割で財産を受けない形の財産放棄という方法が有る事も同時に知った。

相続19【叔母の血族構成】
叔母は長子で、妹が3人続き、その後に長男、次男で、計6人。
次女である従兄弟の母、四女である私の母、次男の叔父は既に他界。
従兄弟と同じ市内に住む三女の叔母に子供は居らず、耳が全く聞こえない状況。
他府県に住む長男の叔父は車を運転する位の元気は有る。

相続20【従兄弟が叔父を嫌う理由】
叔母の弟で長男である叔父の事を、従兄弟は私に何度も愚痴る。
祖母が亡くなった際は全ての財産を譲られたのに、祖母亡き後は母親代わりの叔母を世話しない事がその理由。
このまま叔母が亡くなると、後片付けも彼が一人背負いそうなので、私は策を練り始めた。

「相続21へと続きますよ」

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