天野っち

仕事や生活で得たノウハウを、誰かへ伝えたいとの思いから『つぶやき』を始め、 最初は障害…

天野っち

仕事や生活で得たノウハウを、誰かへ伝えたいとの思いから『つぶやき』を始め、 最初は障害者話、気付けば実話を綴った物語が一杯になりました。 ※これを私は『3行連続ドラマ』と呼んでいます。 なお仕事での得意分野は、相続、社保、生損保等、趣味は、詰将棋創作、ネット将棋、雅楽(篳篥)等。

最近の記事

つぶやき物語【光明1~光明20】のまとめ(冒頭に中書き②追記)

【光明21】は、4/29(月)スタート(o^-^)b ※物語の最初fからお読みの方は【中書き②】を、途中から読まれた方はまとめも併せて、ご一読頂けると大変嬉しいです。 【中書き②】  診察結果に愕然とした妻は、幼少の頃から父親がインシュリン注射の針をお腹に射す光景を、恐い思いで見ていたらしい。  それなのに、祖母に父、そして夫である私までもが同じ病に蝕まれていたとなると、生まれたばかりの息子で4代続く危険性を孕む。  しかしそんな妻の怯えも何処吹く風で、内科的には劇的な改善が

    • 白杖28【念ずれば通ず】 バスでは毎回、乗れば挨拶を降りる際は「ありがとう」と、声に出して言います。 先日は下車後に停留所前方へ進み、運転席の横に差し掛かった時、感謝を込めて会釈しました。 すると「お気を付けて」との言葉が扉越しにマイクを通して響き、思いは伝わるのだと、ほっこり。

      • 闘病35【陰に日向の守護心】 妻へ報告して1時間後、夕食を終えて心虚ろな私の元へメールが着信。 「阪神の原口選手が全く同じ状況で、今は復活しているよ」と、ネットで検索した情報を届けてくれた。 「自分の事は後回しでいい」が信条の彼女が発揮する本領は、体に巣喰う病魔を追い詰めて行く。

        • 闘病34【愛しき人への悲報】 「他臓器への転移が今は見つかりません」との診断で、ステージ4は免れているらしい。 だが、患部前後のリンパ節に複数の転移が有り、予断の許さない緊張感に包まれた。 妻へ電話し伝えると私を気遣う気丈な言葉に、心配ばかり掛ける我が身の罪深きが心に突き刺さる。

        つぶやき物語【光明1~光明20】のまとめ(冒頭に中書き②追記)

        • 白杖28【念ずれば通ず】 バスでは毎回、乗れば挨拶を降りる際は「ありがとう」と、声に出して言います。 先日は下車後に停留所前方へ進み、運転席の横に差し掛かった時、感謝を込めて会釈しました。 すると「お気を付けて」との言葉が扉越しにマイクを通して響き、思いは伝わるのだと、ほっこり。

        • 闘病35【陰に日向の守護心】 妻へ報告して1時間後、夕食を終えて心虚ろな私の元へメールが着信。 「阪神の原口選手が全く同じ状況で、今は復活しているよ」と、ネットで検索した情報を届けてくれた。 「自分の事は後回しでいい」が信条の彼女が発揮する本領は、体に巣喰う病魔を追い詰めて行く。

        • 闘病34【愛しき人への悲報】 「他臓器への転移が今は見つかりません」との診断で、ステージ4は免れているらしい。 だが、患部前後のリンパ節に複数の転移が有り、予断の許さない緊張感に包まれた。 妻へ電話し伝えると私を気遣う気丈な言葉に、心配ばかり掛ける我が身の罪深きが心に突き刺さる。

          闘病33【直視出来ぬ現況】 陰性状態が2日続き、感染が認められないのでその翌日、私たちは無罪放免となる。 だが小躍りする暇も与えられず、検査結果が出たからと、主治医が病室まで伝えに来た。 判定の紙に書かれていた文字は、『ステージ3b』だそうだが、文字が小さくて私の目には映らない。

          闘病33【直視出来ぬ現況】 陰性状態が2日続き、感染が認められないのでその翌日、私たちは無罪放免となる。 だが小躍りする暇も与えられず、検査結果が出たからと、主治医が病室まで伝えに来た。 判定の紙に書かれていた文字は、『ステージ3b』だそうだが、文字が小さくて私の目には映らない。

          闘病32【舞台裏への俯瞰視】 私以外は高齢の同室者ばかりで、被害者顔して看護師へは我儘を言いがち。 この時の彼女たちは、入退室する度に防護服を着脱していた筈で、少し考えれば想像に難くない。 『相手目線で考える大切さ』、この7年間取り組んだ稽古で得た教訓が、私の平穏を支えてくれた。

          闘病32【舞台裏への俯瞰視】 私以外は高齢の同室者ばかりで、被害者顔して看護師へは我儘を言いがち。 この時の彼女たちは、入退室する度に防護服を着脱していた筈で、少し考えれば想像に難くない。 『相手目線で考える大切さ』、この7年間取り組んだ稽古で得た教訓が、私の平穏を支えてくれた。

          闘病31【軟禁下の慎み】 勿論、病室の扉が施錠されてい訳では無いが、廊下に出る行為さえご法度。 また水筒にお茶を入れてもらう願いも叶わず、その都度、紙コップで渡され感染を防ぐ。 「ナースコールして下さいね」と、優しく声掛けされるが申し訳無くて、私は水分と共に我欲も控える様にした。

          闘病31【軟禁下の慎み】 勿論、病室の扉が施錠されてい訳では無いが、廊下に出る行為さえご法度。 また水筒にお茶を入れてもらう願いも叶わず、その都度、紙コップで渡され感染を防ぐ。 「ナースコールして下さいね」と、優しく声掛けされるが申し訳無くて、私は水分と共に我欲も控える様にした。

          つぶやき物語【闘病1~30】のまとめ(冒頭に中書き③追記)

          【闘病31】は、4/22(月)スタート(o^-^)b ※物語の最初fからお読みの方は【中書き③】を、途中から読まれた方はまとめも、ご一読頂けると大変嬉しいです。 【中書き③】 術後の経過は順調で、複数の管も抜かれて身軽になり、私は解放感に包まれていました。 ステージ2~4の判別をする病理検査の結果はまだ出ていないものの、癌の患部は取り除かれて、まずは一安心。 しかし、隣の患者を発端とする新型コロナ問題に事態は一変し、緊張を強いられる状況に陥ります。 そして大晦日の数日前には退

          つぶやき物語【闘病1~30】のまとめ(冒頭に中書き③追記)

          白杖27【昨日の友は今日の敵】 陽が昇る前の早朝、バス停へ向かう路地を通る際、私は道の中央に有るマンホールを目印にしています。 何故なら端に寄ると、両側に建つ家の植木鉢等に当たったりして、怖いし危ないからです。 しかし雨の時は要注意で、迂闊に踏もうものなら、滑って転んでさあ大変。

          白杖27【昨日の友は今日の敵】 陽が昇る前の早朝、バス停へ向かう路地を通る際、私は道の中央に有るマンホールを目印にしています。 何故なら端に寄ると、両側に建つ家の植木鉢等に当たったりして、怖いし危ないからです。 しかし雨の時は要注意で、迂闊に踏もうものなら、滑って転んでさあ大変。

          相続35【そして訃報が】 叔母が万一の際、弔い関連の手配や役所への手続き一切を従兄弟へ一任すると、改めて叔父へ説明。 続いて不動産の整理まで背負わせる代償に、応分の対価を与える事も承諾してもらう。 帰宅後、描いた段取りが進み一段落の就寝だったが、明け方の着信音に安眠を遮られた。

          相続35【そして訃報が】 叔母が万一の際、弔い関連の手配や役所への手続き一切を従兄弟へ一任すると、改めて叔父へ説明。 続いて不動産の整理まで背負わせる代償に、応分の対価を与える事も承諾してもらう。 帰宅後、描いた段取りが進み一段落の就寝だったが、明け方の着信音に安眠を遮られた。

          相続34【叔父の目にも涙】 奥から登場した彼は申し訳無い様子も見せず、訪問を労う言葉を発しつつ対面に座る。 私は臆する感情を圧し殺し、ここまでの経緯を伝えると、「お前たちに任せる」と拍子抜けする台詞が飛び出した。 更に「迷惑掛けるが頼む」と呟くと、元警察官の眼光は鈍く潤んでいた。

          相続34【叔父の目にも涙】 奥から登場した彼は申し訳無い様子も見せず、訪問を労う言葉を発しつつ対面に座る。 私は臆する感情を圧し殺し、ここまでの経緯を伝えると、「お前たちに任せる」と拍子抜けする台詞が飛び出した。 更に「迷惑掛けるが頼む」と呟くと、元警察官の眼光は鈍く潤んでいた。

          相続33【阿鼻叫喚の戦慄】 私は玄関で靴を脱ぎ廊下の端に上がるが、身動きが取れない難儀に瀕する。 辺り一面に物が散乱していて床面がその姿を現さない為で、私は弟に手を引かれ居間に入った。 ここも同様で自力では椅子の位置さえ視認出来ない有り様で、叔父の置かれた尋常無き訳は後に知る。

          相続33【阿鼻叫喚の戦慄】 私は玄関で靴を脱ぎ廊下の端に上がるが、身動きが取れない難儀に瀕する。 辺り一面に物が散乱していて床面がその姿を現さない為で、私は弟に手を引かれ居間に入った。 ここも同様で自力では椅子の位置さえ視認出来ない有り様で、叔父の置かれた尋常無き訳は後に知る。

          相続32【妖館との遭遇】 従兄弟へ確認すると「電話は一度も無かった」と、自説を曲げない。 両者の仲違いを弟へ伝えると、では叔父の話も直接聞きに行こうとなり、すぐに日取りを決めた。 当日、弟が私を車で拾ってから叔父宅へ向かうが、扉を開けると眼前に、壮絶な光景が迫り来る恐怖を味わう。

          相続32【妖館との遭遇】 従兄弟へ確認すると「電話は一度も無かった」と、自説を曲げない。 両者の仲違いを弟へ伝えると、では叔父の話も直接聞きに行こうとなり、すぐに日取りを決めた。 当日、弟が私を車で拾ってから叔父宅へ向かうが、扉を開けると眼前に、壮絶な光景が迫り来る恐怖を味わう。

          相続31【錯綜する言い分】 従兄弟が不動産引き受けを了承した電話の後、私は間髪入れず叔父へ連絡した。 久し振りに聞く声は弱々しく意外だったが、私は冷静に叔母の状況をを伝えると、彼の語気が一変する。 「電話しても繋がらん」と彼の訴えに接し、従兄弟の話と大きな食い違いに私は困惑した。

          相続31【錯綜する言い分】 従兄弟が不動産引き受けを了承した電話の後、私は間髪入れず叔父へ連絡した。 久し振りに聞く声は弱々しく意外だったが、私は冷静に叔母の状況をを伝えると、彼の語気が一変する。 「電話しても繋がらん」と彼の訴えに接し、従兄弟の話と大きな食い違いに私は困惑した。

          つぶやき物語【相続1~相続30】のまとめ(冒頭に中書き③追記)

          【相続31】~は、4/15(月)スタート(o^-^)b ※物語の最初fからお読みの方は【中書き③】を、途中から読まれた方はまとめも併せて、ご一読頂けると大変嬉しいです。 【中書き③】 前職で纏め上げた相続人17名の案件は、関東から九州まで離れた地域に広がっていて、しかも見知らぬ人たちばかり。 それに比べると登場人物は親類縁者だけなので、容易いと当初は考えましたが、そうは問屋が卸さないのが身内が故の微妙な人間関係でした。 そうこうしている間にも叔母の病状は悪化し、ついに予想を越

          つぶやき物語【相続1~相続30】のまとめ(冒頭に中書き③追記)

          白杖26【悪気無き囁き】 電車で席を譲ってくれたご婦人がお連れの方へ、「私も腰が痛いけど、若い人が代わらないから」と言われた。 「大丈夫ですから」と立ち上がろうとする私を、彼女は押し止める。 隣に座っている女性に聞かせたいのかもしれないけれど、聞かされた私は少し居辛くなりました。

          白杖26【悪気無き囁き】 電車で席を譲ってくれたご婦人がお連れの方へ、「私も腰が痛いけど、若い人が代わらないから」と言われた。 「大丈夫ですから」と立ち上がろうとする私を、彼女は押し止める。 隣に座っている女性に聞かせたいのかもしれないけれど、聞かされた私は少し居辛くなりました。