老人保健施設で日々学んでいる綾子

私は老人保健施設で看護師所属長として働いています。利用者の方々と接していると、さまざま…

老人保健施設で日々学んでいる綾子

私は老人保健施設で看護師所属長として働いています。利用者の方々と接していると、さまざまな面白いことが起こります。ここでは看護師として働きながら感じたこと、病気のこと、高齢者のこと以外にも、私の趣味のこと、家族のことなどいろんなことを書きたいと思います。

最近の記事

日本の人口減少と高齢化の進行: 2020年から2070年の展望

少しお高めのヨーグルトを朝ごはんに準備したら、5秒くらいで高級ヨーグルトを飲み物のように食べてしまう老健看護師綾子の子供たちです。(高級肉を飲み込む犬か!) さて、2024年になったとたん、毎日のように人手不足のニュースを聞くようになり、私の老健施設でも海外の方を募集するようになりました。 いったい、今後の日本の人口はどのように推移するのでしょうか。 まず、日本の総人口についてです。2020年には約1億2,615万人だった日本の人口は、2070年には約8,700万人に減

    • 老健施設から見た大往生と医療・介護

      息子の部屋が汚すぎて、絶対掃除してやんないと意地になっている老健看護師綾子です。 医療過誤が患者の死期を早めたかどうかを評価するには、患者の全般的な健康状態、治療の提供方法、治療が中断された際の状況など、多くの要因を考慮する必要があります。このケースでは、病院が事故調査委員会を設置し、神戸市に報告していることから、さらなる調査や分析が行われることが予想されます。 たしかにこの状況では、薬の投与が正しく行われていれば、患者の生存期間が延長されていた可能性があると考えられます

      • 80歳過ぎても医師は医師①

        なんでバレンタインという日があるのだろう。なければいいのにと思ってAIに聞いたら、「なにも相手がいなくても友達や世話になった方、あるいは自分自身のご褒美を考えてみましょう」と言われ、ムカムカしていた自分が恥ずかしくなった老健看護師綾子です。 今日は私のいる老健の先生(ドクター)についてお話をしたいと思います。 あくまでも私の働いている老健の先生のお話ですからね。 私が今の老健に就職したときは、先生もバリバリ動いて、時には私たち看護師と利用者の方針や治療について言い合いにな

        • 新型コロナ耐性ウイルスの課題

          この記事を読んで 耐性があるということは、医療者にとっても脅威であるということです。 世の中はwithコロナと言われてきているのに、コロナの流行はがん患者さんにとっては、本当に脅威であり恐怖でしかないと思います。 診療方針の変更も必要であり、はたして柔軟な対応ができるか。臨機応変ができるかがカギになるのかなと思います。

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          介護処遇改善策の一本化とその影響:加算取得の難易度と将来への懸念

          処遇改善1本化 ①処遇改善加算 ②特定処遇改善加算 ③ベースアップ等支援加算 この3つの加算を1本化するそうなんですが ①と③は取得率が90%超えているのですが ②の処遇改善加算だけ60%~70%しか取得できていないそうです。 なぜか? 計画書や報告書が非常に難しく混乱して、こんなのできねーよ。 ってなっているからだそうです。 だからこそ1本化にしたそうなのですが。 しかし。 やっぱりカラクリがあるようです。 もしかしたら、この1本化にしたことによって 加算が以前よ

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          介護業界の新風 介護報酬改定と補助金、期待と現実のギャップ大

          冷蔵庫に旦那さんへのチョコレートを入れましたが、ビールと同じところに入れたばっかりに2月1日に見つかった老健看護師綾子です ( ゚Д゚) さて介護業界では 「介護報酬改定」 でざわついています。 介護報酬改定 介護報酬改定について 令和6年の介護報酬改定は以下の通りとなった。 改定率+1.59% 内訳 介護職員の処遇改善分+0.98% その他の改定率+0.61% (賃上げ税制を活用しつつ、介護職員以外の処遇改善を実現できる水準) 具体的には現在①処遇改善加算②特

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          「認知症の進行と理性の消失:妄想と疑念の増大」

          長女と鬼滅の刃の映画を見に行けると寝れないほど喜んでいる旦那を見て、キュンキュンしている老健看護師綾子です。 さて前回は老健で頻繁に起きる事件「物盗まれ」のお話をしました。 利用者の布団の中から、盗まれたと言っていたズボンが出てきます。それを見た利用者は何と言うと思いますか? 認知症の進行:記憶喪失、判断力の低下、そして妄想の拡大 「物忘れ」+「決断能力の衰え」そして感情の破壊となると 「あんた、隠したでしょ」 と言い始めるのです。 そう、妄想無双状態が開始されるのです

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          認知症:忘れられた記憶、混乱した感情

          長女がバレンタインチョコレートを作るために、好きな人にアレルギーがあるか聞きたいけど聞けないという相談をされ、キュンキュンしている老健看護師綾子です。 さて認知症の続きを書いていきましょう。 前回は「物忘れ」+「決断力の低下」のことを書きました。 さて今回は「物忘れ」+「決断力の低下」=感情の破壊です。 失われゆく感情の風景:心の変化とその影響 感情にはどのようなものがあるでしょうか。 ポジティブな感情 「喜び」「愛情」「感謝」「希望」「興奮」「達成感」「安堵感」「驚

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          物忘れと決断の衰え:認知症と向き合う家族の心情

          家系ラーメンが近くにOPENしたとのことで長男と行ってきましたが、あまりのしょっぱさに、スープ薄めで注文すればよかったと後悔している老健看護師綾子です。浮腫み決定です。 さて今回も認知症について話します。 前回は認知症の初期症状「物忘れ」について話しましたが 今回は、「決断能力の衰え」です。 考える力 家系ラーメンの看板を見て、行こうか、やめようか 髪を切った夫を見て褒めようか、褒めまいか 反町隆史を町で見かけて声をかけようか、かけまいか これらは、全て自分の目で見

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          記憶の断片から物語へ:認知症初期における脳の変化とは?

          友人から海外の即席めんをいただきましたが、この年になっても知らない味があるんだなあと実感している、老人保健施設で働く看護師綾子です。 さて、本日も認知症についてお話ししたいと思います。 認知症の初期症状 たぶん40歳を過ぎたころに、よく聞くフレーズ 「名前が思い出せないことが多くなってきたんだよなあ」 なんて言っている職場の先輩いませんか? そう、認知症のはじめの症状が「物忘れ」なのです。 それは、脳の電気信号にトラブルが生じていることで起こります。 脳には、ものすご

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          認知症の日常 記憶喪失の陰に生きる

          先週ダウンジャケットを買いに行って"Montbell"のことを「モンタボー」と読み、パートナーに指摘された老健看護師綾子です。 今日は、認知症について書いてみたいと思います。 想像してみてください。 あなたは、スーパーで買い物をし、自動ドアが開き、外に出た瞬間 「え?ここはどこ?私はなにをしてるの?家はどこにあるの?私はなぜ買い物袋を持っているの?」 こんな世界が毎日付きまとう世界。考えただけで恐ろしくありませんか? 病院と施設職員の認知症のとらえ方 私が外科病棟で働

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          老人保健施設(老健)とは

          世間的に「老健」と言われているのは「老人保健施設」の略称です。 施設には、ドクター、看護師、介護士、リハビリ、薬剤師、管理栄養士、調理師、ケアマネージャー、施設相談員、事務員など様々な職種の方がチームで利用者を支えております。 老健のような施設では、患者さんとは呼ばず「利用者」と呼びます。 生きる意志とケアの現実私が現在勤めている老健では、利用者が100人入所でき、 ほぼ毎日95~100人の満床状態です。 利用者は、病院に入院し、治療を終了し退院が決定しても 「日中は働