サッカーの試合でボールがラインの外にでると選手はマイボール！マイーボール！とお互い叫ぶ。幼い頃、TVでそれを見て、お互い僕が出しました、私が出しましたと謙虚に審判に言っているのだと思っていた。その純粋さは変わらずもっていたい。

　高校生になってサッカーの審判をやる機会が何度かあった。初めてするときはワクワクしていたけど、すぐに想像していないことが起こる。

　それは、選手に圧をかけられると有利な判定をしてしまうということ。

　慣れていないのもあったし、あまり争いが好きじゃない性格的なものもあったと思う。でも目つきの鋭い、190㎝はあるガタイのいい男に怒鳴られたら、考える暇もなく言われた通りにしてしまう。

　それでも動じないのがプロフェッショナルなのだろうけど、なかなか難しい。自分を守ることを最優先にしてしまう。　

　久しぶりにメルカリで不用品が売れたので、発送したところ、思いもよらぬメッセージが今朝届いた。

　それは「外箱の損傷が激しいから返金しろ」というものだった。

　もともと箱には傷がある状態だったのでその旨を写真付きで記載していた。しかし、購入者曰く写真の状態よりも酷いと言う。

　最初からメッセージが上から目線で命令口調(一応敬語)だったので不信感はもっていた。それに中身には問題がないわけで、言われるがままに応じたくはない。現状の写真なども見れないため、事務局に介入してもらおうかと考えた。

　しかし、たかが数百円のために何日もそれを気にしたくなかった。そして事務局に介入してもらったからといってこちらの望み通りの結果になる保証もない。

　だから返金に応じることにした。そしてすぐに取引は終了した。

　結局真実は分からない。その人の言うとおり写真のときより酷かったのかもしれない。
しかし、商品があちら側にある以上、こちらは言われた通りにするというのが1番楽だった。仕方がない。

　まあそういうものだと思う。良くも悪くも声を上げる、訴えた人は強くなる。少なくとも声を上げない人や、今回のように何かを提供している人よりは(お客様の方が上という風潮はそろそろ本気で無くしてほしい)。　

　もちろん声を上げないといけない、そうしないとより良くならないということはある。社会問題などもそうしないと見えてこない。

　でも言ったもん勝ちの世界になるのもなんだかなーって思う。そして、主張の上手さで物事が変わるのもなーとも思う。とてももどかしい、モヤモヤする。

　いい勉強になった。良いか悪いかは別にして、上手くアピールできる人の方が優遇される。外交的で器用な人の方が何かと得をする。
これは現実だと思う。

　自分も社会を生き抜く上で多少はこういう力をもっておきたいと思ったと同時に、見逃されているものに気づけるような人になりたいと感じた1日だった。