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美容クリニックに行ってわかったこと

どうにも加齢に逆らえなくなったと実感した40代後半。
自分の顔面に、いつからか根づいてどんどん存在感を増していくものを確認した。
シミ。
突然現れたわけでもなく、以前よりうっすらとメイクするたびに気にはなっていた存在。
どうしても許せない、受け入れられない日はいきなりやってくる。
コンシーラーでも消えない。あれ?まだ消えてない。
自分が持っているプチプラコスメ全部駆使しても、隠せなくなった。
あれ?シミ、こんな濃かった?
ドラッグストアでハイカバーとうたうファンデーションと下地を見繕って購入したが、完全に消えない。
自分の顔が老婆に見えはじめる。
一旦気になりだすと、そのことばかり考え、
帽子をかぶってみたり、前髪を作ってみたり、
醜形恐怖の一歩手前のようで、外出にも気を使う。

悶々としていた日々が嘘のように晴れる日がやってくる。

美容クリニックを訪れた。
やっぱりなぜか、
「人目を凌いで行く場所」
という先入観があり踏み出せないでいた。
そんなことはなかった。
カジュアルで、老若男女、観光ついでに来たような外国人もいた。若い男性も肌悩みがあって来ているのだろう。

受付もカウンセリングのスタッフも、きれいな人たちばかりのキラキラした空間だった。

イケメンドクターが私の顔をまじまじと見る。
別室にてレーザー照射でほんの数分。痛いという痛みはなかった。
リボ払いなら、この1〜2年の私のシミコンプレックスを考えたら安いものか。と感じた。

テンションが上がる。たかがシミ一つ消してもらっただけで。

だけど今度はほうれい線が気になる。待合室の壁には、ほとんど全て当てはまる肌悩みに対処できる施術が、
今ならこの金額、限定◯名様、モニター価格。
飛びつきたくなる文言で紹介されている。
シミだけじゃなかった、私の顔の悩み。
中毒になりそうな予感がして、クリニックを後にした。
飽くなき欲望には、お金がかかる。
残念ながら私の欲求は抑えるしかできなかったが、
整形動画を見て、何でこんなにきれいなのに整形を繰り返すのかな、と不思議で仕方なかった。
でも、自分がシミに対して抱いていたように、気になるとどうにもできなくなる衝動は確かに理解できた。
私もハマるかもしれないと。

コンプレックスがひとつでも減り、人生が豊かになれるのなら、
どんなことにも挑戦してみたい。
たとえそれが自己満足であっても。

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