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◆作品No.145 映画 屍者の帝国-ししゃのていこく-

🔴作品紹介🔴


放送期
2015年10月2日秋
上映時間 120分

character
▼イギリス
ジョン・H・ワトソン(ロンドン大学医学生):細谷佳正
●大英帝国ウォルシンガム機関
フライデー(Noble Savare 007):村瀬歩
フレデリック・ギュスターヴ・バーナビー(大英帝国陸軍大尉):楠大典
M(指揮官):大塚明夫
▼アメリカ
●ピンカートン
ユリシーズ・シンプソン・グラント(代表):石井康嗣
ハダリー・リリス(米国元大統頠秘書):花澤香菜
トーマス・エジソン:武田幸史
▼ロシア
アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフ(ロシア帝国司祭):三木眞一郎
ニコライ・クラソートキン(ロシア帝国皇帝官房第三部):山下大輝
▼日本
山澤静吾(大日本帝国陸軍/やまざわ せいご):斉藤次郎
▼その他
ザ・ワン(第二のアダム):菅生隆之
マニーペニー:桑島法子
シャーロック・ホームズ:高杉義充
ナレーション:二又一成


★推し様出演 : 細谷佳正氏



主題歌
「Door」-EGOIST



監督
牧原亮太郎
脚本
瀬古浩司、後藤みどり、山本幸治
キャラクターデザイン
千葉崇明
アニメーション制作
WIT STUDIO





★あらすじ★
“死者蘇生技術”が発達し、屍者を労働力として活用している19世紀末。ロンドンの医学生ジョン・H・ワトソンは、親友フライデーとの生前の約束どおり、自らの手で彼を違法に屍者化を試みる。その行為は、諜報機関「ウォルシンガム機関」の知るところとなるが、ワトソンはその技術と魂の再生への野心を見込まれてある任務を命じられる。それは、100年前にヴィクター・フランケンシュタイン博士が遺し、まるで生者のように意思を持ち言葉を話す最初の屍者ザ・ワンを生み出す究極の技術が記されているという「ヴィクターの手記」の捜索。第一の手がかりは、アフガニスタン奥地。ロシア帝国軍の司祭にして天才的屍者技術者アレクセイ・カラマーゾフが突如新型の屍者とともにその地へ姿を消したという。彼が既に「手記」を入手し、新型の屍者による王国を築いているのだとしたら・・・?フライデーと共に海を渡るワトソン。しかしそれは、壮大な旅のはじまりにすぎなかった。イギリス、アフガニスタン、日本、アメリカ、そして最後に彼を待ちうける舞台は…?魂の再生は可能なのか。死してなお、生き続ける技術とは。「ヴィクターの手記」をめぐるグレートゲームが始まる!



🔶感想🔶

<評価:S>
視聴2023.7.13

<全体感想>
鑑賞終わりました。ふふひ。
予想通りTHE難解!です。
第一声は「ムッズッ」でした笑。
解らないからと切り捨てされてしまいそうな作品ですが、テーマを考えさせられる。
正直どう感想を書いていいものか悩んでますww
まずはざっくりあらすじを書きます。
〝舞台は19世紀末ロンドン。屍者を労働者として活用する為の死体蘇生技術が発達していた。主人公のジョン・ワトソンは有能な医大生。親友のフライデーとの約束で屍者技術に勤しんでいた。その腕を見込み諜報機関「ウォルシンガム機関」のMに生者の様な屍者を生み出す技術が記されている「ヴィクターの手記」の調査依頼を受け、旅に出る。〟
っとこのようなお話です。話の軸になるのは手記を探す事でもあるんですが、ワトソンが求め続けている魂のありかも作品の中心なんだなと感じました。彼の思い描く純粋な親友フライデーの魂を蘇生する野望から全然違う方向になってしまう。その展開がスリルとサスペンス満載で面白かったです。先があんまり読めなく最終的に「何だったんだ」と少し物悲しい感情に成りました。
舞台の世界は、利便を求めた結果の世になっていて、これも又人間の強欲が見れて、これがやはり人間と言う生物だと思った。Mとザ・ワンを見ると大差なくて結局、人型になると、人間でも屍者でも己の欲望の為にしか動けない。ワトソンもベースはそうなんだけど、良心があるので留まっている。でも紙一重的な感覚が面白い。でもあのシーン。生前のフライデーとのサインのシーンはグッとくる。結局、魂の書き込みは成功していたのかな?でもワトソン本人が新たな人生を歩んでしまってこれもまた悲しいのよね-。最後に何を一言聞いてほしかったのか気になる。Mの野望も私利私欲ではあるけど、言っている事はまさに平和的な事なんだよね。要するに異なる意志、思考がありそれがぶつかるから人間はいつの世もずっと争いをしている。であれば、その思考を捨てればいい。それが死者化と言う事で、全員が同じく考えないただの動く生き物であれば戦争は生まれないが、それはある意味人間である必要が無い。多種多様であるからこそ人間らしさだから。だから実際も戦争を無くすのが難しい。本当に終わらせるにはMの様な強硬な策が必要だけど倫理的にNGだもんね。ここも意外とあっさり終わると言うか最終的にザ・ワンにラスボス乗っ取られて、存在が薄くなるのが何とも可哀想。
本作で伝えたかった事を考えました。一番軸になる「魂」これを考える事と感じました。魂。これもまた解明の出来ないもので、云わば人の思考。その人を確立する自我や意識。もう哲学の世界なので小難しくて答えなんて出ないですが、死んだ後の意志、思考、自我がどこに行ってしまうのか?それは存在するのか?を見る側に考えさせるリドル・ストーリーものだと思います。実際、自我思考は脳のデータというのかな?だから偉人の脳が冷凍保存されているとか言われてるもんね。っという事は基本脳が無いと存在はしないとも取れる。比較と言う意味でオモシロなと思ったのが、ハドラーの存在。彼女は機械人間で人間のように動くけど、喜怒哀楽が無く魂の存在を求めている。作ったエジソンとしては、感情を持とうとする事はエラーと捉えてて自分は失敗作なんだと言う。無意識の体の動作はプログラミングと違いが無い。では人間と機械人形の違いはやはり感情。それが魂という事なのか?そこも不明確で難しい。結局ヴィクターの手記とは魂を入れる事では無く作り出すと言うのが真相だったのかな?

本作で見入ってしまうのが、作画です。
兎に角、作画が美しいのでそれだけでも見る価値はあります。個人的に夜の運河でのニコライと月光が感動した。
スチームパンクを取り入れているので、機械の細やかさとかパンチカードの動き、背景等本当に綺麗で感動する。キャラデザもお顔が自分の好みなのでここもおすすめしたい♡
タイトルの死者の帝国は、作中のカラマーゾフの作った帝国を指していると思うんですが、さほど帝国感が感じられなかった。
作品には有名な作品の登場人物や実際に存在していた人物などが出ており、その小説や歴史を知っているとより楽しめるのかなっと思った。私は読書をしないので名前くらいしか知らなく与えられたものをただ受け止めましたw

原作の作者、伊藤計劃さんは若くして亡くなられたとの事で、原作の続きを盟友である円城塔さんが完遂させたと知り、流れを見て何となくフライデーは伊藤さんでワトソンは円城さんなのかなって思わせる構図を感じた。ワトソンがフライデーによく言っていた、僕は君の言葉の続きを聞きたかった。これが円城さんが伊藤さんのこの原作の作品の完成を誰よりも見たかったんじゃないかと感じました。
他の方の感想を拝見すると、殆どが円城さんの作品になっているようなので、本来の伊藤さんが描きたかった世界がどのようなものだったのか気に成りますね!
主題歌の「Door」-EGOISTさんが歌っているんだけど、流石だよね。重厚感のある曲調にEGOISTの声が綺麗でマッチする。聴き言っちゃうね♪


<声優及びキャラ>
・キャラで印象に残ったのを記載したりしますが、今回はキャラよりもフライデーを演じた村瀬歩さんの演技が非常に素晴らしくて凄い。殆ど台詞がない。叫び声だけになるんだけど感情が分かる。本当に凄いのでここもおすすめです。声優陣が実力派揃いなのでそこも見どころ。細谷佳正さんのしっとりした声も良いし渋い大塚明夫さん、菅生隆之さんの演技も流石です。二又一成さんのナレーションも良い。個人的に村瀬歩さんと山下大輝さん系の声好きなので2人が共演されると湧きます♡
●バーナビー:バーナビーが結構いい味を出していたと思う。一番常識人だし普通の感覚。ワトソンの失態も怒りつつ理解もしてあげて、ニコライとの付き合いなど情もある人。事が終わると解れるけど生まれ変わったワトソンをちゃんと気にしてあげてたりして良いお兄ちゃんでした♡
●ワトソン&ハダリー:ここの2人は物語が進むにつれ良い関係になるんだけど、なんせハダリーには感情がないもんだからワトソンの片思いなのか?それともハダリーにも芽生えていたのか!恋愛モンスターとしては、超~気になって仕方ないw


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