メモ


不在の神を追究しつづけたい。真理はさらに先にあると、あなたは神ではないと言いつづけたい。

祭壇の前で絶対神に仕える幸福を多分私はとてもよく知っているし、それを求めてもいる。

でも、それでも、そこに跪いていてはいけない。

それはつねに変化しつづけ先へと進むから、私も変化しつづけ日々新たにならなくてはいけない。

いつまでも同じ言葉を使うことでは、いつまでもそれを見続けることにはならない。

それには名前がない、名前を知りたい。名前をつけたい。

そうすれば、その名前を捨てることでもっと先にゆける。



私は自分が何をしようとしているか知っている。

私は自分が何をしようとしているか知らない。



楽園を抜け、約束の地を遙かに越えて、夢の世界よりもっと高く、深く。

夢見ることと目醒めることが同じであるようなところまで。

生きていられる間に少しでも遠くへ。

二階堂奥歯「八本脚の蝶」 2003年1月26日(日)その4

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