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座る犬の生活

駅に向かう途中、公園の前を歩いていたら、
私のすぐ先を、初老の紳士と黒い犬がお散歩していた。
犬は紳士に引かれて紳士の少し後を歩き、
時々紳士の顔を見上げた。
歩きながらちょいちょい飼い主の顔を見る犬を見るのが、
私は好きだ。
暫くそれを堪能していたら、
犬が突然、道の真ん中に座り込んだ。
お尻をアスファルトにどっしりくっつけて。用を足すわけではない。
紳士が屈んで犬の頭を丁寧に撫でている内に、
私は彼らを追い抜いた。
数歩歩いて振り向くと、
ふたりは元通り歩いていた。

左手に見える公園は緑が豊かで、反対側には紫陽花が咲いている。
ストライキの数秒くらいしたくもなるだろう。

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