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【イベントレポ】CMX Connect TOKYO #18:世界のLenovoからコミュニティ推進について聞く!

2024年3月22日に開催した「世界のLenovoからコミュニティ推進について聞く!」のレポートです。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました〜
今回残念ながら参加いただけなかった方は、次回ぜひ!


#Togetter

#Movie

#1 Jessicaさんセッション「Community Everywhere」

Lenovoが掲げている「Community Everywhere」について

コミュニティ構築の肝となること
・自分たちの組織の中に売り込んでいく
・コミュニティマネージャーが活躍できるような組織に実態を合わせていく
・目標を達成するためにどのような投資、ビジネスケースの検証が必要か
・ハイブリッドで進めいていくのが大事だが、オンラインとオフラインどちらに力を入れていくか

Lenovoのグローバルコミュニティが焦点を当てている3つのセグメント

LenovoのVisionは「グローバルに急成長させていきたいというビジョンがあり、小売や販売パートナーなどどれとも違う『Lenovo.com』という場所を確立するのがゴール。
ゲーマー、学生、中小企業の3つのセグメントに焦点を当てている。
コミュニティはD2Cの改善(ブランド需要の創出/UX/ロイヤリティ/4Pの観点)のために必要な重要な要素。

LenovoのKPIの参考(数値は実数ではなく参考値)

・Average Return Visitor Rate:業界平均値よりも高い水準を目指している
・Events & Activities:セグメントならではの特性に合わせて設定している
・Total Pieces of UGC:継続的にUGCを生成してもらうために、インセンティブ(ポイントやディスカウントなど)を提供したりしている。
 

カスタマーエクスペリエンスの向上として、中小企業向けのコミュニティでForumという場で国境・言語を超えて同じ立場の人とコミュニケーションがができる場を近々リリースする予定。
これまでは国ごとにコミュニティを作っていたが、自動翻訳機能などを使うことで、グローバルに統合していく。

 「Community Everywhere」に必要な要素

・Loyalty Programsをとても大事に考えている。人生の限られた時間を我々のブランド・コンテンツに費やすということを決断してもらっているので、参加された方々が何かしら積み上がっていくもの・見返りを得られるように設計している。
・コミュニティは人の集合体であると思うので、人がいるところにコミュニティがある。場所はSNSだったり、プラットフォームだったりいろいろだろう。
・本当に価値を感じてもらえるコミュニティを作るなら、我々が正解だと考えたところに連れてくることではないと思っている。
・人がいるところこそがコミュニティだとすると、人が集っている場所・自然に心を寄せられる場所に我々が介在することが、コミュニティを作る上での肝だと考えている。
・『Lenovo.com』との接続をどううまくするかは肝であり腕の見せ所。強制的・恣意的な感じを見せない形に”アートする”ことが重要。
・我々が心をつかみたいと思っている方々がいるところに馳せ参じるという考えのもと、YoutubeやTwitch、Discordなどのプラットフォームにも変幻自在に自分たちも立ち現れるということを大事にしている。

まとめ

「Everywhere」と聞くと、なんでもかんでもやらなきゃいけない…?というコンセプトに見えるかもしれないが、わりとシンプルなことだとわかってくれれば嬉しい。
・自分たちが心を掴みたい人がどこにいるのか「Where」がカギ
・内部の人のマインドシフトは継続的に取り組むべき

#2 バビコバ麻里さん「Lenovo Pro Community」

Lenovo Pro コミュニティについて

日本・オーストラリア・ニュージーランドのコミュニティマネージャー。
ビジネスユーザー向けのコミュニティ(日本のメンバーは25,000人)
コロナが落ち着いてきてからは、外部のコミュニティと繋がっていく取り組みもしている。
■Lenovo Pro コミュニティ:https://smbcommunity.lenovo.com/jp/

バビコバ麻里さんの自己紹介①
バビコバ麻里さんの自己紹介②

・PTAというとネガティブなイメージがあるかもしれないが、就職する際にも役に立った経験だった。
・家族を持ちながらフルタイムでコミュニティマネージャーとして働くのってどうなの?と思う方がいるかもしれないが、家族を「株式会社バビコバ」と捉えてコントロールしつつ家族の協力も得ながら頑張っている。
・さまざまなコミュニティを毎日のように渡り歩いているので、PDCAが加速する。

・コミュニティマネージャーはとにかくポジティブであることが大事!
・常にあたらしいことにアンテナを貼りながら、無理せず新しいことにチャレンジする。
・日本にいながらオーストラリア・ニュージーランドのコミュニティを担当するのはチャレンジングだったが、意外とやってみたら現地のメンバーと一緒に働くのも楽しいし良い経験になった。
・若い方・キャリアに悩んでいる方に向けて「まずはやってみる」ということで、道が広がっていく!というのを伝えたい。

#3 QAパネルディスカッション

(左から)CMX Connect運営メンバーの小野さん・山本さん
Lenovo バビコバ麻里さん・Jessicaさん・通訳の方

※以下、回答いただいた方をJessica/Mariで記載させていただいています

Q:コミュニティに携わっている人数は?外部のパートナー・業務委託の方はどれくらい?  

A:(Jessica)フルタイムでグローバルで4人。これから1年であと数人増やしたいと思っている。
そのほかはビジネスプロダクトオーナーが1人、UX担当が2人、フロントエンドチーム、バックエンドチームと外部のコンサル会社2社。
コミュニティの成長に会社が投資をしてくれるのは幸い。

A:(Mari)私はグローバルのEコマースチームに所属していて、日本のEコマースチーム、ニュージーランドのEコマースチームなどローカルチームやマーケティングチームなどたくさんの人たちと協力しながら運営している。

Q:欧米の盛り上げ方と日本の盛り上げ方は違う?

A:(Jessica)国による違いはもちろん、セグメントによって全然違う。Techのリソースはグローバルで共有しているので使えるし、Playbookは共通のものがあるが、形にするとなるとローカルによって異なる。

Q:日本人はシャイなので静かに見えてしまいがちだと思うが、Jessicaさんはコミュニティの様子を見る際にどのようなところを見ている?

A:(Jessica)シャイって言っているけど、金曜の夜にここに集まっているということが静かな形の燃えたぎるエンゲージメントを感じる。(👏👏👏å)

文化やコミュニティの種類によって雰囲気も違うし、そこは柔軟に捉えていくのが大事だと思っている。
オンラインだと静かになってしまうという印象があるかもしれないが、火曜日にやったイベントには135人が参加してくれた。発言しない人もいるけど、それだけの人が参加するということを選んだことがは、一つの指標になると思っている。
雰囲気としてガヤガヤしていなくても、クリックをするなどのアクションや参加するということ自体を”静かなるひとつのエンゲージメント”だと捉えていく必要があると思う。

Mariさんが自分の人生のことを話してくれたことで、皆さんの心の中に何か残ったりするといったような、参加した人の中に何かしらを残すということを確実に起こしていくことが大事だと思っている。

Q:コミュニティマネージャーに向いている人材は?Jessicaさんが採用するときにどのような点を重視している?

A:(Jessica)Techに長けていることと、クリエイティブであるということの2つをもっていること。かつ社交的で、いろんな才能を持ち合わせていて…(会場で2つだけじゃない…という感じでザワつく)

中を熟成していく・深くしていくことを自ら起こしていける、イントレプレナー型(社内起業家)の人。
採用する場合は、個人としてどうかという視点だけではなくチームにどう貢献するのか、他のメンバーとどう保管し合うのかという点を見ている。
あとは、グロースマインドセットを持っているか、トレンドにもアンテナを張って新しいものにも柔軟に対応しているか…

(小野さんがたまらず「大変だなぁ〜」とつぶやいて、会場もザワザワ)

自慢できる最高のチームメンバーが揃っていて、Mariさんのことを採用したのもとても良かったなと思っている。

A:(Mari)グローバルで働いていると”時差”がどうしても付き纏う。私が寝ているとき、Jessicaは寝ているので自主性を持って自分ごとにして動いていけるマインドが必要だと思う。
迷ったときは、他のエリアの同僚に相談するようにしている。
(日本が17時のとき、UKは朝9時/日本が13時のとき、インドは朝9時…といった感じで、時差をあたまにおきつつ相談しているという話はすごかった…!)
助けてもらいながら進める仕事だと思っているし、私もみんなをサポートするように心がけている。相手の立場に立った考え方が重要。

Q:Lenovoコミュニティのコメントが活発で驚きました。どのような施策が活性化につながっている?

A:(Mari)実は2年前はしーんとしていたのだが…いろいろな施策を打っていくことで現在のような形にできた。
毎週同じ曜日に「お題」をあげることで、ユーザーさんに「この曜日にお題が上がるんだ!」と気づいてもらえたり、ちょっとくだけたお題を投稿することで「仕事中の休憩タイム」的に捉えてもらうことができた。
最近できた「ガジェット研究室」では、キーホルダーなどのアクセサリー製品をどうやったら売り出せるか?などの議論が巻き起こっていて、今注目している。

Q:Lenovoという企業として、コミュニティにどのようなことを期待している?求められる内容は変化している?

A:(Jessica)もともとは購買するとき以外に、顧客・潜在顧客と触れ合うかを追求する場だった。(第一ステージ)
いまはブランドの宣伝をしてくれる方・アンバサダーをどう育てられるか(第二ステージ)という2つのテーマを持ちつつ、第三ステージとして”マネタイズをどうするか”といった感じで変化してきている。
私たちにとっての一番の褒め言葉は、『Lenovoのコミュニティに来てみたら、ぜんぜん売り込まれている感じがしない!』と言ってもらえること。
とはいえ、企業であるからには収益につなげていかなければならない。
思いやりのある形で、カスタマーにとっても価値となる形で届けられるかを、芸術的な美しさで創り上げることを期待されていると思っている。

もう少し解像度を上げると、会社から期待されていることとしては以下。
・ブランドのエンゲージメントを高めること
・ブランドのロイヤリティを作ること
・収益化につなげること
・ユーザーのデモグラフィックの把握すること
・ユーザーの声を集めること

Q:そのような社内のマインドセットを作っていくのは大変だったのでは…?と思うのですが、作るための働きかけはありますか?

A:(Jessica)…It's a journey.(ザワザワ)
いろいろなことを長い時間軸の中で重ね続けるのが大事。
企業である以上、事業戦略というものが上から掲げられる。
会社が向かおうとしている方向性の中でコミュニティが大きく貢献できるところがどこなのか、それに注意深く耳を傾けて、引き出していくことが必要。

Lenovoに入社するときに5人の役員と面接をしたが、1人は「コミュニティは嫌いなんだよね。信じていないし、このポジションを採用する必要ないと思う」と言われた。 
3人は好感を持ってくれたが、受かるためにはこの1人の心も変えなければいけなかった。
「なんで君に会社のお金を預けてコミュニティをやってもらわなければいけないのか、語ってよ」と言われたので、「お金はたくさんいりません。お金をたくさん出したくなるように、コミュニティの価値があることを証明してみせます。」と言って帰った。これが吉と出るか凶と出るかと思いながら…

その後、今となってはその人はLiveコミュニティにも参加するし、「コミュニティ最高だよね!」と言ってくれるようになって、予算もつけてくれている。
人としても素敵な好きな経営陣になっているが、1on1のときにも油断せずに常にROIへの貢献していること、投資することに価値があるということを証明し続けないといけないなと気を引き締めている。
 
Lenovoは四半期に一回グローバルのMTGがあって、経営陣65人の前でプレゼンをする機会がある。私もするし、コミュニティマネージャーもする。
とても緊張感が高くて厳しい言葉も飛び交う場だが、そこも潜り抜けて証明し続けてきたからここにいられるのだと思うし、とても誇らしいと感じている。

コミュニティの観点で大事なこととして、その人が興味があるところ、その人がいたいところ、その人が欲しているところに我々が向かっていくことだと話したが、自分のチームのマネジメントでも同じだと思っている。
チームの一人一人が、ここでやりたい・ここでこうするという気持ちを尊重して、フォーカスが当たるようにすることが成功に向かう肝なのだろうなと感じている。
また、ロイヤリティというKPIについても売上に紐づいた数値を設定していて、しっかり達成できているので、会社が納得するような収益にもつながるような取り組みができている。

Q:プライベートでやっていることが、仕事でのコミュニティ運営に役に立ったなと思ったことは?

A:(Mari)インターナショナルスクールのPTAには75名くらいの保護者の方がいて、国籍もさまざま・カルチャー・言葉も違う方が多く、コミュニケーション力を試されるところだなと感じた。
中でも、「PTAの委員長さん」はコミュニティでいう「スーパーユーザーさん」と似ているなと思った。

A:(Jessica)仕事だとかプライベートだとかを分けずに、自分が大好きだと思ったことを追求していくのが大事。
今、大学でも講師を務めているので大学生にも言っているのが「この1年で成し遂げたことは何かを3つ、必ず毎年整理をする時間を取るべき」ということ。1年で3つ、5年で15個、20年働けば60個になるし、それらは仕事でもプライベートでも活きてくる。

倒れても起き上がらなければいけなかったり、ピボットしなければいけなかったり、道なき道を進まなければいけなかったりするけど、成し遂げてきたことが土台になってくるはず。
自分が思っている以上に、成し遂げてきたことがたくさんあるということに気づいてほしい。

おわりに

オンラインの方も含めて集合写真!

というわけで、読み応えありまくりなレポートになりました!
(ここまでで6175字)

一旦ちゃんと〆たいので…CMX Connect Tokyoといえば!の『今回のタネ明かし』をどうぞ。
(イベント中で紹介できなかったので、個人的な思いですみません)

#今回のタネ明かし

実はCMX Connect Tokyoのハイブリッド開催は初だったのです…!
現地でお会いした方にも「あれ?初めてでしたっけ?」と言われたのですが、初だったんです。
これはもう完全にMitzさん&あややさんのお力のおかげで、本当に何の問題もなくできて感謝感謝でございました。

企業とのコラボ・アメリカからゲスト・同時通訳、QAタイムをセッション形式でなど、チャレンジがたくさんありすぎたのですが、諸々調整いただいたMitzさん、英語が喋れる小野さん・のりこさんありがとうございました!

また、今回のイベントを実施するにあたり、私は最後の最後しか参加できなかったのですが、しゅんさんには事前の打ち合わせ参加・当日の受付・XでのPostも含めいろいろお助けいただき感謝です…!

#おわりに

今回はじめて「CMX Connect Tokyo」に参加いただいたという方もいらっしゃって、とっても嬉しかったのです!
お馴染みの方々もご参加いただきありがとうございました😊

久々のオフライン開催で、運営が誰かわかるようにしておけばよかったな〜とか、初参加の方ともっと話したかったな〜とかいろいろ反省が個人的にあるのですが、これに懲りずまたご参加いただけると嬉しいです…!
(やっぱりしばらくやってないといろいろ忘れちゃいますね。。反省)

〜個人的な感想〜
全体を通して「Lenovoさんがコミュニティメンバーへの敬意があって、とても大切にされているのだな〜」というのが伝わってくるお話が多く、とっても印象的でした。

場所を作って来てもらうのではなく、”メンバーがいる場所に自ら赴く”という考え方がとてもステキだなと思ったし、なかなかこの考えでコミュニティ運営されているところって少ないんじゃないかな〜 メンバーが何を求めているかを真剣に考えていて、大切に思っている証なのではと。

コミュニティ(集まる場所)作ってあげるから来てよ!という、やや上から目線気味な感じが個人的にあまり好きじゃない(小声)のでめちゃくちゃ刺さりました。 もう一方でしっかり事業貢献しているということを証明し続けているというのもスゴイ。 この両輪を保つのは簡単じゃないはず…

最近コミュニティからは離れてしまっているけれど、やっぱり会社である以上は”事業貢献”というのは外せないことで。 今わたしも求められているところで、どうしようか…と思ったりしていたのですが、で逃げずにチャレンジしよう…!とやる気をもらいました。

今日久々に運営メンバーや、お馴染みのみなさんに会えてすごく嬉しかった!

#CMXConnect がある度、コミュニティっていいな・また携わりたいなという気持ちが出てくるんですよね〜 このコミュニティに本当に助けられているなとしみじみ…

とはいえ簡単じゃないのは重々わかっているので、小声で笑

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