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価値の創造

昨晩りょうくんが会いに来た。

りょうくんが私に会いに来る時は片道1時間もかけてきてくれる。

私はそれが申し訳ないな、なんて思うけど

〝もうこの距離にも慣れてきた“

彼はそう言う。

いつも1ヶ月くらい会わない事はザラなのに

昨日のりょうくんは

〝やっと会えた“

キスした時の唇が微かに震えてるのがわかった。


ここ数ヶ月ほぼ毎日LINEをくれて、潔癖で舐めるの嫌いな子なのかなとずっと思っていたけれど、この頃は人が変わったみたいに私のを舐めたがる。

この頃のりょうくんはどうしたのかしら?

と思うけれど私はその変化に心当たりがあるのだ。


少し前、私の写真をりょうくんの友達が見たと言って、すごく羨ましがられたのだそうだ。

その後ことあるごとに友達から

「あの人に会いにいくの?」

と聞かれるのだとか。

彼は人妻と会っているなんて友達には秘密にしたいと思うようなタイプなのに、彼の友達も交えてaoiさんと一緒に飲みたいと言われたりもした。


友達に羨ましいがられた事で、それまでそうでもなかった私の価値が、りょうくんの中で上がったのでしょう。

また、同時期に私が他の男の子を匂わせてしまった事もタイミング的に変化を助長している。

セフレという枠組みの中ではあるものの、

他に取られたく無いという気分なんだろうな今は。

私自身は何も変わっていないのに不思議ですよね。


感情を揺さぶったり、揺さぶられたりする事は、ほんの少しのきっかけだったりする。

自分や相手の価値というか、認識も一瞬で変わったりもする。

恋愛はロジックなんていうと、夢がなく身も蓋もないけれどそういう側面は多少はあると思う。


魅了され恋してしまう相手というのは

若干の憧れを含んでいる。


会うたびにドキドキするような、

キスするたびに唇が震えてしまうような。

若い男の子にとってそんな

〝大人の女“

のフリをしている私に

少しでも長く騙されていて欲しいのだ。






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