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眠り姫と、掃除機。

昨日、1月9日は、成人の日で、
お休み。

月曜日。

私は、月曜日と金曜日の、
朝9時から、部屋に掃除機をかける。

回数が少ないかもしれないが、
掃除機の音が苦手なので、
これが精一杯なのだ。

この日は、珍しく、
上の姪(高校生)が、部活が休みだった。

朝9時になっても、起きてこない。

もう、掃除機をかける時間だ。

どうしよう。

向かいの部屋で、掃除機をかけると、
うるさくて、起きてしまうかも。

でも、月曜日の9時に、
掃除機をかけることになっている。

私は、狭い部屋の中を、
行ったり来たりしながら、考えた。

いつも、子供達は、学校だから、
スムーズに、掃除機をかけていたし、
冬休みでも、
上の姪は、課外授業と部活で、
殆どこの時間は、家にいなかった。

だから、それが出来ない、となると、
途端に慌ててしまう。

ここで掃除機をかけなければ、
この後の予定が、全て狂う。

しかし、やっと訪れた休日を、
台無しにするようなことは出来ない。

その時、頭に、1人の男性の
言葉が浮かんだ。

漫画家の、小栗左多里さん
(『ダーリンは外国人』でお馴染み)
のご主人、トニー・ラズロさんの、

プランCまで考えよう

だ。

私は、部屋を行ったり来たりしながら、
とりあえず、プランCまで考えた。

プランA:9時半まで待つ
プランB:10時まで待つ
プランC:10時半まで待つ

さすがに、10時になれば、起きるだろう。

と、考え、予備的にプランCを入れた。

そして、読みかけの本を手に、
ベッドに腰掛け、読み始めた。

集中出来ない。

本来なら、もう、掃除し終わっていても
おかしくない時間なのだ。

しかし、我が家の眠り姫は、
9時半になっても、10時になっても
起きてこなかった。

まさか、プランC?!

私は、本を閉じ、一階にいる
姉のところに行った。

「◯◯◯ちゃん、まだ寝てるけど…」

すると、姉が、

「うーん、たまの休みだから、寝かせてあげて」

と言うので、退散するしかなかった。

本来なら、
9時に部屋に掃除機をかけて、
9時15分には終わっているはず。

結局、眠り姫が起きたのが、
10時15分。

すぐ、掃除機をかけると、
嫌味かな、と思い、
5分程、間を空けた。

全ての予定が、1時間遅れになった。

しかし、気にならなかった。

普段、部活に、習い事にと、
頑張っているのだ。

姉の言うとおり、たまの休みくらい、
好きなだけ寝たらいい。

我が家の眠り姫は、ごくたまに、
ふっと、現れる。

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