蓮ノ空に親しみをおぼえる、ごく私的な理由(わけ)【蓮ノ空感想文】
お越しいただき、ありがとうございます。
noteをはじめて一週間。
これまで「#蓮ノ空感想文」「#蓮ノ空舞台巡礼」という企画にならって、記事をいくつか書かせていただきました。
つたない文章ではありますが、蓮ノ空が好きという気持ちや、作品の魅力などが少しでも伝わっていたら嬉しいです。
さて、今回はごく私的な話になります。
前回の記事で、蓮ノ空が好きになった理由をいくつか書かせていただいたのですが、今回はその時にふれなかった別の理由を紹介しようと思います。
きっと少数意見だとは思うのですが、こういう楽しみ方をしている人もいるよ、程度にお読みいただけたら幸いです。
『蓮ノ空』と『マリア様がみてる』
この一年、蓮ノ空にすっかりハマっていたのですが、どうしてこんなに好きなんだろう? とふり返った時、ふとある思いに行き当たりました。
それは、学生のころ好きでよく読んでいた『マリア様がみてる』に共通点が見出せるということです。
ただ、昔の作品なので、ご存じない方も多いかもしれませんね。
『マリア様がみてる』の舞台となっている私立リリアン女学園には、「スール制度」という制度があります。
それは、一つ年上の上級生が、一つ年下の下級生と「姉妹(スール)」の関係を結び、指導するという制度です。
この関係は1対1で結ばれます。
そして、生徒会である『山百合会』には、「赤薔薇」「白薔薇」「黄薔薇」の三つの流れがあり、代々引き継がれていきます。
・「赤薔薇(ロサ・キネンシス)」
3年 水野蓉子 → 2年 小笠原祥子 → 1年 福沢祐巳(主人公)
・「白薔薇(ロサ・ギガンティア)」
3年 佐藤聖 →(2年 不在) → 1年 藤堂志摩子
・「黄薔薇(ロサ・フェティダ)」
3年 鳥居江利子 → 2年 支倉令 → 1年 島津由乃
そして、一年後には主人公たちにもそれぞれ後輩ができ、さらに流れは引き継がれていきます。
この伝統的に引き継がれる流れが、蓮ノ空にも共通しているように感じていて。
・「スリーズブーケ」
101期 大賀美沙知 → 102期 乙宗梢 → 103期 日野下花帆(主人公)
・「|DOLLCHESTRA《ドルケストラ》」
101期 大賀美沙知 → 102期 夕霧綴理 → 103期 村野さやか
・「みらくらぱーく!」
101期 大賀美沙知 → 102期 藤島慈 → 103期 大沢瑠璃乃
それぞれのユニットに伝統曲があることからも、脈々と受け継がれてきたであろう流れをうかがい知ることはできます。
だからこそ、第18話の沙知先輩のセリフは切に胸に響きました。
結果的に、沙知先輩の想いは102期たちにちゃんと引き継がれ、沙知先輩も安心して卒業できるのではないかと思います。
さらにこの先、蓮ノ空にもきっと後輩たちが入ってきて、スクールアイドルクラブの活動もよりいっそう賑やかになっていくでしょう。
彼女たちがこの先どんなドラマを見せてくれるのか、今から楽しみです。
「百合」を越えた、尊いもの
ところで、「百合」という言葉は、いつ頃から社会に認知されはじめたのでしょうね?
『マリみて』に関していえば、「私立リリアン」「山百合会」というワードの通り、ライトな百合と言えなくもないかもしれません。
ですが、祐巳と祥子さまの絆をはじめ、彼女たちの友情は、「百合」のひと言では片づかない、もっと尊いものであったように感じます。
では、蓮ノ空はどうでしょうか?
たしかに、各ユニットの先輩×後輩は仲むつまじく、時おり「浮かれポンチ先輩」「ノロケストラ」などと形容されるのも、なるほどうなずけます。
ですが、蓮ノ空に登場するキャラクターたちは、ただ純粋に「先輩が好き」「後輩が好き」「メンバーが好き」なのであって、わたしたちもまた純粋に彼女たちの関係性の変化や成長を楽しめばよいのだと思います。
最後に
『マリア様がみてる』では、主人公・祐巳のお姉様である祥子さまが卒業を迎えたところで、物語は終わります。
蓮ノ空ではどうでしょうか?
主人公たちの一つ上の代、「蓮ノ大三角」とうたわれた梢たち102期の卒業をもって、物語を終えるでしょうか?
答えは分かりません。
ただ一つ言えることがあるとすれば、蓮ノ空は、沙知先輩という偉大な先輩を通して「卒業」を丁寧に描いたという点で特筆すべき作品であり、梢たちの卒業もまた避けては通れない大きなテーマとして描かれるだろうということです。
沙知先輩の卒業でさえこんなに心を震わされているのに、来年の今ごろ、わたしたちはいったいどんな情緒でいるでしょうね。
蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さんとともに、これからも彼女たちの活躍を祈るような気持ちで追い続けたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。