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【翻訳】プローブベットについて【CASH、MTT、セオリー】GTOWブログ.62

割引あり


ポーカーの経験則として、「レイズした人までチェックで回す」というのはかなり良いものである。前のストリートのアグレッサーは一般的にコーラーよりもポラーなレンジを持っているので、ベットするインセンティブが高く、一方、前のストリートでコールしたプレイヤーは中程度の強さのハンドがほとんどで、ポットを大きくするインセンティブが低い。
しかし、前のアグレッサーがCbetを選択しなかった場合はどうなるだろうか?ポーカーでは大抵のことがそうだが、「場合による」のだ。この記事では、100bbのキャッシュゲームで、フロップでCbetをしなかったLJからレイズしたプレイヤーに対して、BBコーラーとしてターンをプレイすることに特化して見ていくが、ここで論じる一般原則は、アグレッシブだったプレイヤーがベットを止めたどのような状況にも当てはまるだろう。



レンジの力学


プリフロップでレイズしたプレイヤーがフロップでベットしなかったというのは何を意味するだろうか?

最初に判断すべきことは プリフロップレイザーがフロップをベットしなかったのはどういう意味か?という事で、これはもう一つの質問の答えによる: フロップはプリフロップレイザーにどのくらい有利だったのか?である。IPのレイザーはBBコーラーよりもプリフロップのレンジが強く、このレンジのアドバンテージをフロップに持ち越す。言い換えれば、LJはほとんどのフロップでレンジの優位性を享受できるはずである。これがCbetを頻繁に行える理由である。


フロップでベットしなかった場合、チェックのレンジはフロップがどれだけレイザーにとって有利であったかに大きく左右される。よりレイザーに有利なフロップでは、チェックは通常、弱いハンドではなく、ベットしてもあまり得をしない中程度のハンドであることを示す。この場合、BBはナッツのアドバンテージを享受するが、平均的なターンではエクイティのアドバンテージは得られない。すなわちベットする場合は低頻度で高いサイズで行うことを意味する。あまり有利でないフロップでは、プリフロップレイザーは自分のレンジ全てをベットして利益を得ることは期待できないため、弱いハンドの一部をチェックせざるを得ない。このような場合、BBはターンでエクイティとナッツの両方のアドバンテージを得る可能性が高く、ベット頻度が高くなるが、これはターンのカードがボードのテクスチャーをどの程度変えるかによる。


レイザーに有利なボードのケース


多くのフロップでは、プリフロップのレイザーの方が強いレンジであるため、BBのコーラーに対してどんな2枚のカードでベットしても利益を得ることができる。その場合、ベットしない唯一の理由は、ショーダウンに持ち込むか、後のストリートでブラフをかけるか、何らかの組み合わせにより、少なくともチェックがベットと同程度の利益が期待できる場合である。

非常に有利な幾つかのフロップでは、LJレイザーは全くチェックしない。このようなボードはBBをほとんど助けず、非常にダイナミックであるため、LJはバリューとプロテクションを兼ねて中程度の強さのハンドでもベットする。QQ5のようなペアボードや333といったトリップスボードは良い例である。

我々が今回調査するフロップの例はA♦K♥8♥である。この場合LJは大きなレンジアドバンテージを享受しているが、10%程度の小さいチェックレンジを構築する。まず、LJのアドバンテージの大きさを示すエクイティグラフを示す。


LJは65%のエクイティを持っており、AAKKAKのようなナッツクラスのハンドをBBよりはるかに高い頻度で持っている。その結果、LJはどんな2枚をベットしても利益を得ることができるが、時折チェックをすることで少しレンジのEVが向上する。333のフロップの時とは異なり、LJのA2、K6、JJのような中程度の強さのハンドは、ベットによってプロテクト出来ることがほとんどない。ベットすること自体は悪いことではなく、ポットを獲得することも多いが、チェックすることで達成できることはほとんど無い。ラッキーキャッチがない限り、これらの手はコールされてもベットし続けるほど強くはないだろうし、BBがフォールドするようなハンドにはいずれにせよ勝つチャンスはほとんどないだろう。

以上のことから、LJのチェックのレンジは狭いが、それでもかなり強いと言える。チェックにはあまり弱いハンドは存在しない。なぜなら、即座に利益を得られるフロップベットは彼らにとって魅力的な提案だからである。つまり、BBはエクイティで不利なままであるため、張り切ってターンのベットを始めることはできない。実際、BBが50%以上の頻度でベットするターンカードは存在しない。


また、BBがベットするときは、図の濃い赤で示すように、大きなサイズを使うことが多い。これはBBがナッツアドバンテージを活かしてポラライズドレンジでベットし、LJの中程度の強さのハンドにエクイティを否定するのである。しかし、BBのナッツハンドの数は限られているので、あまり頻繁にベットすることはできない。ベットしすぎるとLJのブラフキャッチャーは多くコールすることで直ちに利益を得ることが出来るようになるからだ。BBはターンカードに関係なくチェックすることが多く、それはフロップと同じようにフォールドするつもりであることが多い。

BBがベットする場合、彼らは強いレンジでベットしており、フォールドエクイティだけでは利益を期待できない。ブラフがコールされた時にもアウトドローして勝つチャンスが必要という事だ。例えば、4♠のターンでのブラフはフラッシュドローとガットショット(ブロードウェイドローではなく、低いドロー)である。彼らは純粋に最低のハンドはチェックフォールドする。


弱いハンドをたくさんチェックするので、強いハンドもチェックするインセンティブがある。セット、ツーペア、そしてAJや AQもチェックレイズの候補である。

ベットと同様、チェックレイズのブラフはすべてドローである。ブラフレンジの大きな変化は、4xが加わったことである。4xはファーストアクションの時のブラフには強すぎたが、LJがベットするとその価値を失う。LJがターンでベットする最も強いハンドクラスはターンのセットとツーペアであるため、4は重要なブロッカーとなる。


このフロップでのLJのレンジアドバンテージは非常に大きく、LJがフロップとターンのベットをしなかったとしても、BBはほとんどのリバーで高い頻度でチェックを行う。フロップがAK8であった場合、BBは後のストリートで何が起ころうとも、ポットには大金を入れるべきでない。有利なアクションやランナウトは彼らの勝率をギリギリまで高めてくれるが、彼らの戦略は常にチェックとフォールドを多用する。


レイザーに有利ではないボードのケース


プリフロップのレイザーに有利でないフロップは珍しいが、レイザーが最も頻繁にチェックするフロップでもある。例えば、6♥ 5♦ 4♦では、エクイティはLJとBBでほぼ半々であり、BBがナッツアドバンテージを享受している。その結果、LJがコンティニュエーションベットをすることはほとんどなく、彼らのチェックレンジには弱い手が多く含まれる。なぜなら、ブロードウェイが大量に含まれるLJのレンジとうまくマッチしないフロップでは、彼らの方が弱い手を持っているからである。


BBがターンでどのようなプレイをするかは、どのカードが来るかにAK8のボードよりもはるかに大きく左右される。スモールカードが落ちた場合、LJはレンジで大きなアドバンテージを得て自由にベットをする事が出来、マージナルなペアでさえLJのレンジにある多くのオーバーカードのエクイティを否定することが出来る。

ビッグカードが落ちたとき、LJのエクイティは向上し、BBの戦略はAK8のときのように、よりポラーなレンジで低い頻度でベットすることになる:



結論


プリフロップのアクションとフロップのカードは、各プレイヤーがどれだけのエクイティを持っている可能性があるかについての強力なベースラインを確立する。フロップで大きなエクイティアドバンテージを持っているプレイヤーが、1枚の悪いターンカードやチェックのような「弱い」アクションをしたからといって、そのアドバンテージを失うことはない。


フロップで大きなエクイティ・アドバンテージを持つプレイヤーは、単に相手よりも多くの強いハンドを持っているという事である。つまり、強いハンドを自分のレンジに分布させることができ、また分布させるべきであり、そうすることで、強いハンドをベットするインセンティブがあっても、チェックするためのそれなりに強いハンドをたくさん持っていることになる。

エクイティがより均等に配分されるようなフロップでは、後のストリートでの正しい戦略はアクションと最終的なコミュニティカードにより大きく左右される。

プリフロップのレイザーからのチェックは凝縮されたアクションであり、ナッツハンドの可能性を低くする。従って、相手が次のストリートで、ナッツアドバンテージを使って、ある程度の極端なベットをするのは、通常正しいことである。しかし、相手がバリューとプロテクションのために薄くベットするかどうかは、ボードのテクスチャーがプレイヤー間のエクイティをどのように配分するかに大きく左右される。


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