会社の雰囲気は、現場の社員から聞くべき理由【ビジネス】

先日、知り合いから「○○社に内定をもらったんだけど、雰囲気とか聞かせてもらえない?」と連絡がきた。

○○社は私が新卒から数年間働いた会社だ。

話を聞いてみると、「表舞台に立っている経営者や、面接や採用された際に面談した人事は、自社の先進的な取り組みについて誇らしげに説明してくれたんだろうけど、実態はどうなの?」ということだった。

確かに、その会社は、経営者が非常に先進的な考えを持ち、モダンで効率的な施策を行なっていることで有名だ。

しかし、現場で働いていた身からすると・・・

「それは部署による。経営者のその理念やポリシーに従っている部署もあれば、従っているフリをして実態とはかけ離れている部署もある。」

というのが正直な感想であり、それを知り合いに話したところ、

「やっぱりね」

という回答だった。なぜなら、その知り合いが現在働いている会社も基本的にはそういう感じなのだそうだ。

具体的にどんなことなのか。

例えば、その会社の経営陣はコロナ前からリモートワークを推奨していた。パパさん・ママさん社員には、フルタイムでも保育園や幼稚園などの送り迎えなどで途中抜けできるよう、特別な制度を設けていたりもした。

この場合、上司がリモートワークや子供を持つ親に対してフレンドリーな考え方なら、この制度はうまく使われていた。しかし、逆のパターンもあったのだ。

上司が昭和型の働き方が常識と思い込んでいる場合、これらの制度を使うと問答無用で評価が下がっていたのだ。

例えば、リモートワークは会社の制度上、利用することができたにも関わらず、上司が「対面で仕事をしてこそ仕事と言える」という考え方のパターンもあり、このような上司に当たってしまうと、実態としてはリモートワークはほとんど利用不可だったのだ。これは、パパ・ママの送り迎えの制度でも同じだった。上司の方も、制度上利用できるので、利用を禁止することはできない。しかし、権利だからと利用をしたら、業務に必要な情報をもらえず効率の悪い仕事をすることになってしまったり、「やる気がない」と判断されて査定の際に悪い評価をつけられてしまう。

いわゆるパワハラではあるが、パワハラであるかの境界線を明確にするのは、思った以上に難しい。

しかも、経営者は現場の一人ひとりは見ていない。結局、現場の上司の感覚で全てが決まってしまうのだ。どんなに経営陣の考え方が先進的でも、現場の、実際に評価する人が同じ考えでなければ、今でも昭和型の働き方を求められたりするのだ。

私が新卒の時に入社した会社も、その知り合いが現在働いている会社も、日本人なら誰もが知る大企業だ。それでも実態はこんな感じである。

就職や転職をする際、経営者や人事が外部に発信している内容は、基本的に「綺麗事」の部分だけだ。もちろん、全くの嘘を発信しているわけではない。しかし、実態がどうなのかは現場だけが知っており、会社の雰囲気に関しては現場の声(人事が取り計らった人ではなく、自分のネットワークで見つけてくることが大切)を聞くことが大切であると、改めて思った出来事だった。

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