ドイツの住まい探しはとっても大変
突然引っ越しをしなければならなくなったいきさつをnoteに書きました。今回の記事は、主に僕の経験に基づいたドイツでの住まい探し(賃貸物件探し)の事情について、少しお話ししましょう。
ドイツでの住まい探しはとても大変です。
例えば日本で賃貸アパートを探す場合、僕のこれまでの経験では、不動産店に行って住まいの条件を伝えれば、不動産店から条件に合った物件の候補をいくつか紹介してもらえて、場合によっては実際に賃貸物件まで案内して連れて行ってもらえて、実際の物件をすぐに見せてもらえることもありました。
一方、ドイツの場合。
僕の経験では、ドイツの不動産店では日本のように条件に合った物件の候補を紹介するサービスはありません。物件は自分で探します。
どうやって物件の情報を入手するか。
これが住まい探しの第一の関門。
方法はいくつかあります。
一つは、賃貸物件の情報を提供するインターネットサービスをサブスクライブして賃貸物件の情報を入手すること。サービス利用は有料ですが、自分の条件にあった物件情報を入手できます。
また、新聞や街の広報誌に賃貸物件の広告が出ていることもあります。
友人・知人による口コミ情報も時には重要。
何らかの方法で自分の条件にあった物件が見つかったら、その物件の取り扱い先に直接コンタクトを取ります。コンタクトを取る相手は家主さん本人だったり、不動産店の担当者さんだったり。
まずは内見しないとどんな物件なのかわからないので、コンタクト先に直接問い合わせて貸主さんに内見の希望を伝えます。この点も日本の物件探しと大きく違います。なお、賃貸物件情報サービスや新聞広告では賃貸物件の具体的な住所が明らかにされていないこともあります。
重要なのは、いかに内見の予約を取るかです。内見希望の内容のメールを連絡先に送っても、必ずしも返事が返ってくるとは限りません。いくら待っても何の音沙汰もないのはよくあることです。
内見の予約を取れるかどうか。
ここに住まい探しの第二の関門があります。
内見予約を取るために送信するメッセージには、単に内見の希望を伝えるだけでなく、自分の職業や雇用形態(雇用期限の有無など)などの経済的安定性についての情報や、当該物件に興味を持った理由も併せて説明すると良いそうです。僕はこれらの情報を丁寧に説明したメッセージをいつも送付していました。
さて、この内見依頼のメッセージが貸主さんのお眼鏡に叶うと、貸主さんからメッセージが届き、いよいよ内見の日時が決まります。この日時は、貸主さんの都合で一方的に決まり、平日のワーキングタイムの最中の時間枠が提案されることが多いです。
物件探しはスピードとタイミングが重要なので、提案された内見予定が平日昼間なら仕事を休んで内見に行かなければなりません。内見の予定変更を願い出た場合には、内見のチャンスが永遠に失われる可能性があります。
第二の関門を潜り抜けて内見予約を取り付けたら、実際に内見に行きます。
貸主さん(家主さん・不動産店の担当者さんなど)に現地で直接会って、説明を受けながら住まいを内見します。
内見に際して、職業・連絡先・身分証明書のコピーなどの個人情報や、過去数ヶ月の給与明細・雇用契約書などの書類の提出を求められる場合が多いです。
住まいについて質問したいことがあれば、内見の時にまとめて担当者さんに質問しましょう。内見の後で帰宅してから質問をするよりも、その場で尋ねる方が良いです。住まい探しはスピードとタイミングが重要。自分の他にも住まい探しをしている人は大勢いることを忘れずに。
内見をして住まいに良い印象を持ったら、貸主さんにはっきりと「この住まいに住むことに興味があります」と伝えます。
僕の個人的な感想としては、この内見が住まい探しの第三の関門と言えるでしょう。実はこの内見というイベント、貸主さんにとっては借主がどんな人なのかを知る重要なチャンス。貸主さんにとっては、この内見の機会が借主を選ぶ面接試験という意味があると僕は思います。
具体的にどんなやりとりをすれば良いのか僕には分かりませんが、貸主さんに対して誠実な姿勢と態度で内見に臨むことが重要なんじゃないかな、と僕は思います。日本で時々見られるような「お客さん(この場合は借主)はカミサマです」のような態度では難しいんじゃないかなと個人的には思います。
内見が無事に済むと、「あなたが借主として選ばれたかどうかは、後日お知らせします」と担当者さんに言われてその場でお別れします。
ここで最後の第四の関門。
あなたが借主として選ばれるかどうか。
この選考過程がどうなのか、僕は不動産業者ではないから分かりません。内見までのやり取りや職業・雇用形態などを総合的に判断されるのでしょう。
全ての関門を潜り抜けることができると、最終選考に残りましたという知らせが貸主さんから届きます。その物件に住みたいならはっきりとその旨を伝えれば、契約手続きを経て最終的に住まいを借りることができます。
ドイツの住まい探しの四つの関門をまとめると
自分で賃貸物件の情報を入手すること
内見の予約を取ること
内見というある種の面接試験にパスすること
最終選考まで生き残ること
と、僕の個人的な経験からはこんなふうに言えると思います。
ステップ1の段階で、自分から「私は住まいを探しています」と名乗り出る方法もあります。その地方の新聞や街の広報誌に「住まいを探しています」という内容の広告を打つというのがその方法です。探している住まいの条件などを短くまとめてミニ広告にし、新聞や広報誌に掲載してもらいます。ある程度お金がかかりますが、一つの有効な方法だと職場の同僚から聞かされました。
とにかく、もう本当にドイツの住まい探しはとても大変!
というおはなしでした。
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