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#100 運動連鎖という考え方③

私たちの身体は、たくさんの
骨や筋肉、関節などの組織
から出来ております。

身体にみられる運動や姿勢保持・維持は、
必ず全身の連動性が必要になってきます。

起き上がる、立つ、歩くなどの
普段当たり前に行っている動作から
走る、投げる、打つ、蹴るなどの
スポーツ動作まで
人間のあらゆる動きは運動連鎖という
形で行われていることになります。

運動連鎖とは
一部の関節を動かすと
それに続いて隣接する関節も動き、
様々な場所に連鎖が起こることで
身体が動いていくことをいいます。

運動連鎖には下記の種類があります。

【下行性運動連鎖】
①骨盤前傾
②骨盤後傾
③骨盤前方回旋
④骨盤後方回旋

【上行性運動連鎖】
⑤足関節回内
⑥足関節回外

ここにあります上行性とは
下から上に向かって影響を及ぼすことで
足首の影響が膝や股関節、骨盤に
向かって上方へ向かって影響を
及ぼすことをいいます。

下行性とは
上から下に向かって影響を及ぼすことで、
骨盤の影響が股関節や膝関節を
下行し足関節まで影響を
及ぼすことをいいます。

今回の投稿では、下行性運動連鎖の
⑤、⑥を綴っていたいと思います。

上行性運動連鎖
⑤足関節回内

◆足関節:回内
◆脛骨:前方、内側、内旋
◆膝関節:屈曲、外反、内旋
◆大腿骨:前方、内側、内旋
◆股関節:屈曲、内転、内旋
◆骨盤:前傾、前方回旋

足関節回内が大きくなってしまいますと
脛骨と大腿骨はともに
前方・内側・内旋方向へ動くため
働く力は「脛骨>大腿骨」となります。

足関節の回内は、
偏平足の状態になりやすく、
そこから膝が内に入りやすくなってしまい
X脚の形になってしまう恐れがございます。

足関節回内が長く続いてしまいますと
鵞足炎などの機能障害を起こす
可能性があります。

上行性運動連鎖
⑥足関節回外

◆足関節:回外
◆脛骨:後方、外側、外転
◆膝関節:伸展、内反、外旋
◆大腿骨:後方、外側、外旋
◆股関節:伸展、外転、外旋
◆骨盤:後方回旋

足関節回外が大きくなってしまいますと
脛骨と大腿骨はともに
後方・外側・外旋方向へ動くため
働く力は「脛骨>大腿骨」となります。

足関節の回外は、
小指側の外側重心・接地になりやすく、
そこから膝に間が広がりやすくなってしまい
O脚の形になってしまう恐れがございます。

足関節回外が長く続いてしまいますと
O脚から変形性膝関節症などの
機能障害を起こす可能性があります。

下行性運動連鎖の
骨盤前傾・後傾に関しましては、
両側性で運動連鎖が起こっていくのですが
上行性運動連鎖の足関節回内・足関節回外は
主に片側性(片方の足)で
運動連鎖が起こります。

運動連鎖という考え方を知ることで
先々に起こる可能性がある身体の変化に
気づくことができるかもしれません。

難しいかと思いますが、
頭の片隅に入れておいて
いただけると嬉しく思います。

ここまで、運動連鎖の考え方を
3回に分けて綴ってまいりましたが
運動連鎖は身体の運動パターンですが、
必ずしも全てが当てはまると
いうわけではございません。

ただ、自分自身の身体に
起こっていることを
知る良いきっかけにはなるのでは
ないかと思っております。