【SCP考察】███-3955 八音【SCP_Foundation】調整版
███-3955はシェアード・ワールド "SCP_Foundation" の作品の一つ。ここに来た人間はSCPが何なのかは百も承知の事であろう事を考えて、それらの説明は省く。
これが███-3955。
オブジェクトクラスはSafe Apollyon、
項目名は『八音』。
誤伝達部門が絡んでて初見ではさっぱりわからんから、備忘録として考察を残しておくよ。
※以下は個人の解釈であり、正確性を保証するものでは無い事を留意してください。
概要
さて、先ずこの報告書、赤くハイライトされている部分がひじょーーーに気になる。ここで冒頭の文を読んでみよう。
なるほど? ハイライト部分は██████ ████博士なる人物によって絶賛編集中の部分らしい。読む限りまだ保存されてないっぽいから、正式な報告書としてはハイライトされてない部分だけなのかな。
それが分かれば、実はこのオブジェクト自体は割と単純。すっごい分かりやすく言えば「楽曲生成AIによって作られた8音のメロディ」。音楽生成AIを長ーーーい時間駆動させると、この8音ができあがる確率が100パーセントに近づいていく……って現象の副産物だってさ。
長ーーーい時間ってのがミソなのかな。オブジェクトクラスはSafeである上、収容だったり隠蔽の必要も無いらしいし。ほっといても全く問題ないくらい長い時間なんだろうか?
補遺01 - CAOCITの背景
肝心の説明部分はここまで。ここからは、CAOCITなる財団製ビックリドッキリメカの解説パートが始まる。
冒頭の、深宇宙のボイドで発見された謎信号のお話も気になるけど……CAOCITとタイムボックスについて端折って解説しよう。
どうやらタイムボックスってのは宇宙のシミュレーターのようで、数兆年から数秭年のデータが数時間で取得できる代物らしい。「タイムボックスにゴミを残すとブラックホールになる~」的なことを言ってるから、数値上のシミュレートじゃなくてマジの空間を使ってるぽいね。
CAOCITは、タイムボックスからデータを抜き出すための分析機らしい。主に三つのコンピュータを使って初期分析、生成、データのフィルタリングで循環させて、仮想宇宙を作ったり消したりしてると。
で、財団はこのタイムボックスの中に人を入れて放置とかしてみたらしいけど、みんな発狂しちゃったみたいだね(そらそうよ)。「出てこれるはずなのに、みんな何故か出てこないよー」的なことも言ってる。
補遺02 - ███-3955実例
ここで衝撃の事実。例の8音はCAOCITの手続きを踏んで生成してたらしい。ってことは本当に膨大な時間をかけないとAIが異常性を発言しないのでは? どうりでSafeな訳だ。タイムボックスの使用が前提の異常性なら、そもそも収容もクソもない。
……██████ ████博士はなんでこれをApollyonにしたんだ?
補遺03 - 詰問
ここからの文章は、全てが██████ ████博士によるもの。ここを読めば、オブジェクトクラスの意味もちょっとは分かるのかな?
……ん? なんだか不穏な事が書いてある気がするぞ? 「8音とボイドで見つかった謎信号って、同じものなんじゃネーの?」ってコト?
……!?!?!? ちょ、それってヤバくない? ってことは、この宇宙そのものがタイムボックスのシミュレートである可能性が出てきた訳でしょ? うむむ……タグに "メタ" があるから嫌な予感はしてたものの……
これはApollyonも納得だね。上位世界の財団がCAOCITを切断すれば、この宇宙は終わっちゃうかもって事だし。まさか、そこからさらに上位世界まで内包した、マトリョーシカ状の宇宙になってたりしないよね?
補遺04 - [セクション名]
正直に言うと、この部分はさっぱりわからん。 システム時間や「直感を追跡」の文から、博士がタイムボックス内に入ったと仮定しよう。本家discussionでもそう解釈されてたし。
何で博士は考えうる限りの異常性に警戒してんだろうか。SCPの名前まで伏せて。
これに関して、本家discussionに「直接言及するとヤバい実体の名前と同じパターンの音楽をAIが生成する可能性があるから」っていう考察があったんだけど、正直、それはちょっと違うがする。なんか投げやりだし。
って言うのも、この報告書のタグって【apollyon art-exchange en scp コンピュータ メタ 時間 誤伝達部門 音声添付 音楽】だけなんだよね。
この報告書にはミームも反ミームも情報災害も出てこないんだ。だからまぁ、ここは考えるに、まだ詳細を把握してない博士が凡ゆる異常性に備えたってことなのかな?
……さて、僕が全部読んだ限りでの語句変換がこれだ。
音楽 → タイムボックス
彼ら → 基底財団宇宙(タイムボックス)の創造主(恐らく上位世界の財団)
3人の男 → CAOCIT
これを踏まえて読んでみれば、背景が分かってくるのではなかろうか。
上位世界の財団はタイムボックスを使用している(研究のために欲している)。タイムボックス(恐らく基底財団宇宙のこと)を停止させることはできない。
タイムボックスは上位世界の財団にも制御できていない。若しくは、タイムボックスの秘密に上位世界の財団は気づいていない。
ここではもう、博士はタイムボックスの秘密に気づいてるっぽいね。「彼らは実在しない」は現実逃避? それとも別の意味が?
「音楽は現実を作るものだ、私は常に聴いている」この部分は重要だね。タイムボックスのシミュレートは、基底宇宙を生きる博士にとっては世界そのものだ。だからこそ、博士が入ってるタイムボックスの方も停止させたくないのかな。
少し飛ばして…… ここは興味深い。CAOCITの詳細についてが語られてる。1台目のコンピュータが宇宙を生成、そして2台目が膨大なデータをフィルタリングし、必要なものだけ3台目の分析機に投げる、と。
問題は、この文が上位世界にとってのCAOCITについての言及なのか、博士の世界(基底財団宇宙)にとってのCAOCITについてなのかってところ。どっちであるかによって「ミスター・ミュージックが私を聴いているとは思わない、彼はただ私のためにすべての素晴らしい音楽を作っているだけだ。だが、音楽はただそれだけなわけであって、ただ音楽だ。それが音楽の欠点だ。」の部分の解釈が微妙に変わる。が、面倒なのでここには書かない。
で、最後。例外無く博士も発狂しちゃったと。理由は他とちょっと違う気がするけどね。
総括
このオブジェクトは、タイムボックスに音楽生成AIを突っ込んだ時に特定のメロディを生み出す確率が1に近づいていく現象、その副産物たる8音。その8音と、深宇宙で見つかった解読不能の信号には関連性があり、そこから、報告書の宇宙が上位世界のタイムボックスのシミュレートである可能性が生じた。
いやぁ怖いね。かなり好きだよこのSCiP。まぁ、誤伝達部門である必要性はよく分かんなかったけど。
※当記事は [ CC BY-SA 3.0 ] です。また、全ての権利はHenzoid様に帰属します。
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