単なるお茶のみ友達が人生を変える

出会いと別れ

 これまで、多くの人と出会い、そして別れを経験してきました。親との別れは、私にとって最も辛い永遠の別れでした。将来を夢見た愛すべき人との別れもありました。裏切られて、生きる力さえ失ったどん底の別れもあしました。反対に、私の方が裏切るかたちになってしまった、思い出すだけで胸が苦しくなるような別れもありました。結果的に別れて正解だったと思える別れもしましたが、やはり人との別れは辛いものです。
 一方、人との出会いがなければ別れもないわけですが、結果的にどのような関係になるとしても、人との出会いは私たちの成長にとって無くてはならないものだと思えて仕方がありません。この人に出会っていなければ、今の私はなかっただろうと思える出会いが、今思いついただけでも幾つもあります。些細な変化も合わせると次々と脳裏に浮かびますし、実は自分では気づかないうちに大きな影響力を受けていたということもあるかもしれません。いいえ、きっとあります。
 最近つくづく思いますが、人は気づかないうちに多くの人に支えられ、助けられ、時には命拾いをしながら生かしてもらえているのではないかと。人の人生は、実は自分を支えてくださっている人々によって作り出されているのではないかと。

思い切った決断

 わずか10ヶ月足らずの間に、私はかなり思い切った決断をしました。人生において最大の買物をし、長年辞めきれずにいた習い事に終止符を打ち、起業することを夢見て新たな学びの道に足を踏み入れ、思いきって海外旅行にも行き、そしてnoteも始めました。以前の私なら、少なくとも数年はかかっていたでしょうし、決めるに決められず欲求不満に陥っていたかもしれません。ではなぜ決断力の乏しい私がここまで大胆になれたのでしょうか。それはきっと、親友との出会いがあったからだと思います。
 彼とは、今日何があったとか、今どんなことに打ち込んでいるとか、何に悩んでいるとか思いつくままに、ほぼ毎日のように電話やメールでやりとりしています。それに対して返信もごく自然に、自分はどう思うとか、こうしたらどうかとか、時には耳の痛い助言や、息を呑むような鋭い指摘もあります。いずれにしても素直な心の内をストレートに述べ合います。文化が異なるため、そもそも客観的・具体的なアドバイスができないということもありますが、具体的にどうすべきというアドバイスではなく、自分で答えを見つけるための様々な問いかけをしてくれているという感じです。目の前にいる相手だけを見て、直感に基づく問いかけをしてもらい、答えを出すのはあくまでも自分自身という関係です。
 私が大胆な決断を次々と為し得ることができたのも、その時その時の私の思い迷いをそのまま受け入れ、適切なフィードバックをしてくれたからだと思います。日本人にありがちな「(こんなことをしたら)人からどう思われるだろう」という不安に対しても、彼は、それが日本の文化の一つだと理解した上で、自分の心に素直になるようにと繰り返し励ましてくれました。加えて、何をするにおいても、目的は明確か、本心で動いているか、ゴールは何か、いつも繰り返し私に問いかけてくれます。指摘は矢の如く鋭いですが、彼の目はいつも優しく愛情に満ちています。

お茶飲み友達が人生を変える

 彼と出会って、自分の心の中にある様々な感情や願望を素直に言葉にすることができるようになりました。人としての弱さや醜さ、自分の中にある嫌な面とも対峙することができるようになりました。家族や友人など人とのつながりがいかに大事か、あらためて考えるようになりました。彼と出会って、ものの見方や考え方が変わりつつあることを実感しています。
 言うなれば私達は「お茶飲み友達」のような関係ですが、心を開き会話を重ねることによって、いつしかかけがえのない存在になってきました。互いを尊重し、相手の言葉に耳を傾け、相手にも自分にも素直でいることを通して、深い尊敬の念と強い信頼関係ができたように思います。
 私達は日々の生活の中で、幾つもの決断を繰り返しながら、人生を歩んでいます。いわば昨日の自分が今日の自分を作っていると言っても過言ではないでしょう。けれども、それを支える人との出会いが実は大きな影響力をもっているのではないかと尽く尽く感じます。
 ”大切な人との出会いが運命を変える” 
 そう思える素敵な出会いが、たくさん訪れますように☆


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