室町幕府と江戸幕府の評価の違い

江戸幕府は約260年続いた長期政権であり、故に評価がものすごく高いです。しかし、室町幕府は江戸幕府には劣るものの約240年といった長期政権にもかかわらず、評価はあまり高くないです。このような扱いの差が出ることについて考えられる理由を話していきたいと思います。

最初に話した通り、江戸幕府は1603年から1867年の約260年間続きました。そのうち世の中が大きく混乱したのは、幕末とよばれる最後の15年間だけでした。その他の時代は、一揆などは数多くありましたが、不安定な時代が続いて大規模な戦乱が数多く起きる事はありませんでした。

それに対して室町幕府は1336年(1338年という説もある)から1573年(1588年までという説もある)の約240年続いたのですが、最初の60年間は南北朝時代、終わりの100年間は戦国時代と呼ばれる不安定な時代でした。南北朝時代は、足利尊氏と弟の足利直義が争った観応の擾乱と呼ばれる北朝同士の争いが発生したり、南朝が北朝の三種の神器を奪う事件が起こったりしました。戦国時代では、戦国大名が自分たちの領土を拡大するために他の大名と戦っていました。

そのため室町時代が安定していたと言われている時代は約80年ほどしかなくその間にも6代将軍足利義教が暗殺される事件(嘉吉の変)が起こるなど江戸幕府の安定とは程遠い状況でした。

やはり評価の違いは安定期の長さによるものだと考えています。

室町幕府は有力大名をコントロールできなかったのに対し、江戸幕府は鎌倉幕府や室町幕府の失敗を活かして上手く有力大名をコントロールすることができたのでしょう。

安定政権を長く築くことは本当に難しいと思います。それをやってのけたのが江戸幕府でその幕府を作り上げた徳川家康、そして幕府の基礎を固めた徳川秀忠、徳川家光は本当にすごい将軍だったと思います。

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