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うさぴょんの読書記録

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今までnoteに書いた読書感想文をまとめたものです。楽しんでもらえたら幸いです。
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記事一覧

読書感想文53 かげはら史帆 著 「ベートーヴェン捏造名プロデューサーはうそをつ…

 ベートーヴェンの無償の秘書にして長年の友人、シンドラー。彼はベートヴェンの伝記を書き、…

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読書感想文52 吉屋信子著「吉屋信子俳句集」

 少女小説の大家である吉屋信子は生前に高浜虚子、星野立子等に師事して俳句も作っていた。こ…

うさぴょん
1か月前
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読書感想文51 レイ・ブラッドベリ著「 華氏451℃」

本が禁じられた世界で本を焼く昇火士のモンダークは隣家の少女クラリスとの交流を通して、世界…

うさぴょん
1か月前
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読書感想文50 藤島秀憲著 「山崎方代の百首」

私は方代についてあまり良く知らず、旅の歌人であること、先の戦争で右目を失明したことが放浪…

うさぴょん
1か月前
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読書感想文49 尾崎翠著『第七官界彷徨』

h 小説のような、詩のような、独り言のような不思議な小説だ。佳人を連想させる名を持つ少女…

うさぴょん
2か月前
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読書感想文48 永井荷風 著『ふらんす物語』

フランスを舞台にした小説や随筆などを収めた一冊。抒情を感じるエッセイを最近読んでなかった…

うさぴょん
3か月前
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クリスマスの怪談本

 日本だと夏が怪談の季節だが英国は冬が怪談の季節らしい。  みんなで暖炉を囲みながら一つずつ怪談を語って行くそうだ。 日本の百物語とちょっと似ている。  考えてみるも生命力に満ちあふれ若々しく緑が鮮やかな夏よりも、枯れ木と雪で覆われた寒々しい冬のほうがおどろおどろしい死の世界に近いイメージではなかろうか。  英国ではクリスマスの時期に怪談本が刊行される風習があるそうだ。傑作選まででているぐらいだ。  クリスマスキャロルも幽霊の話だった。あの話がクリスマスの話なのはクリスマス

読書感想文47 穂村弘著『ラインマーカーズ』

穂村弘の自選短歌集。今はもう伝説となっている手紙魔まみ夏の引っ越し(うさぎ連れ)も収録さ…

うさぴょん
4か月前
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読書感想文46 劉慈欣著「三体」

 あのオバマ元大統領も愛読している中国のSF小説。有名な科学者が突然自殺するという事件が多…

うさぴょん
5か月前
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読書感想文45ディーノ・ブッツァーティ著「神を見た犬」

イタリアの幻想小説の名手によって書かれた短編集。不思議な出来事が飾り気のない淡々とした文…

うさぴょん
6か月前
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読書感想文44島村藤村著 藤村詩集

♪名も知らぬ遠き島より♪の歌い出しで有名な唱歌「椰子の実」が島崎藤村の詩だと知らなかった…

うさぴょん
6か月前
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読書感想文43「吾輩も猫である」

 様々な作者による猫を主人公にしたアンソロジー。ミステリーあり、恋愛あり。様々なジャンル…

うさぴょん
7か月前
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読書感想文42 石井好子著「パリの空の下オムレツのにおいは流れる」

https://amzn.to/3ygKSrZ  読んでいるうちに、料理がしたくなってくるエッセイ。料理の描写…

うさぴょん
7か月前
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読書感想文41小島なお著「乱反射」

 二千四年に十八歳で角川短歌賞を受賞した小島なおの第一歌集。十七から二十歳までの二七四首を収録。十代らしい捻くれたところのない素直な歌が多い。一首一首が丁寧に詠まれている。 「こころとは脳の内部にあるという倫理の先生の目の奥の空」 上のリンク先のは今年になってから再販されたものだったが私が読んだのは古いもので馬場あき子先生の解説もついていた。  小島なおは数年前までNHKの短歌番組で司会をしていたり、NHKのカルチャーセンターで短歌教室を持っている。ちなみに児島なおの母親