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彼を想う

その人は淋しげな笑顔をする俳優さんだった。
彼のお芝居に引き込まれた。
お若いのにすごい人だと思った。
芝居に対する熱量がすごい方だと思った。

そんな彼は4年前の夏、この世からいなくなった。

芝居に向き合う姿勢は並々ならぬものであったのだろうと思う。
その演技を見れば分かる。
神経を擦り減らしながら演じられていたのかもしれないとさえ思う。
大好きな俳優さんだった。
彼の出版した本の中の彼の笑顔を見る度に、
本当に素敵な俳優さんだったなぁと思う。

彼の亡くなった日、
私は那須高原へ家族とキャンプへ行っていた。
訃報は車の中だった。
ショックだった。
何かの間違いなのではないかと思った。
けれど、間違いではなかった。

あの日のことは忘れない。
訃報をスマホの記事から目にした時に、
通っていた道もはっきりと憶えている。
悲しかったことは忘れられないのだろうか。

彼の出演した映画の主題歌をお店で聴く度に
彼のことを思い出す。
曲をどこかで耳にする度に、彼を想うのだろう。
これから先もずっと。

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