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プログレッシブ歩き遍路・2002年 ⑧ 徳島

5月11日


駅で寝かけた夜中に、宗教を語ったおっちゃん遍路は夜中にゴソゴソと出発して行った。
すごい体力やなあと思いながらまたウトウトとし始めると唐突に叫び声がしてうるさくなった。

地元のヤンキーたちが駅に来て暴れ出した。
全員自転車で、昔鬼ハンと呼ばれたハンドルを無理やり曲げてカマキリみたいにした自転車に乗っている。

ああめんどくさいな、どうか絡んで来ませんようにと祈りながら目を閉じると、絡まれることはなかったが花火などやり出してめちゃくちゃうるさい。
友人Sとどうしようか考えていると映画の寅さんばりに斜めにかぶった帽子に腹巻をバッチリ着こなすおっさんが現れた。

お前ら静かにせえと一喝するが、ヤンキーは笑いながら腹巻をからかって爆笑してますますうるさくなった。
おっさんは酔っているようで、バズーカでももってこいお前らなんか目潰しで一発じゃと独特な文句を言う。
しばらくヤンキーとおっさんが叫び合い、眠るどころでなくなった。


場所を変えようかと思い始めるが、ヤンキーたちは飽きたのか去って行った。

おっさんは俺らに話しかけてきて、目潰しで一発やぞあんな奴ら、俺の目潰しはすごいんじゃと言う。
名刺をくれたが、水産会社の社長のようだった。

こんなところで寝ずにもう少しマシなところで眠れといい、着いてこいと言う。
少し歩くとおっさん行きつけだというスナックに着いた。

綺麗な熟女ママがいて、酔った寅さんを叱っている。
ココアとそうめんをお接待してもらい、そのままスナックのソファーで眠っていいと言う。

寅さんはしばらく飲んだ後、それじゃあ頑張れよと去っていった。
熟女ママは大阪に娘をスナック修行に出しているそうで、困ったときは助け合いやと何度も言う。
俺らのような怪しい二人を信用し眠らせてくれるのを感謝する。

熟女ママは、出る時は鍵をしてポストに入れておいてと言って帰っていった。

また予想もしない展開やったなあと友人Sとエコーで一息つきすぐに寝た。







朝起きて王乳とエコーで目を覚まし、スナックのカウンターに納め札とお礼を書いたメモを置いて出発する。
ソファーで眠れたおかげで体は快調でとても元気だった。
しかし靴があってないのか痛んでいた足はますます膨張し、パンパンになっている。

途中限界がきて薬局で最強に効きそうな湿布を買い、ごまかしながら歩く。
小さなハサミをおまけしてくれて、潰れた豆の皮を切り取ることができた。

恩山寺に着いてホッと休んでいると車遍路のお婆さんが1000円お接待してくれた。
すぐそばでたこ焼きの屋台があったのでその1000円で食べることにする。
回転焼きを一個づつおまけしてくれた。


たこ焼きを口に入れると、予想外にソースの味ではなくまるで馬糞を食べているような風味が広がりえずいた。
しかもタコ入ってない。
あんまりに凄まじい牧場風味の味に二人して笑いが止まらなくなった。
腹筋が割れるほど笑った後、ちょっとこのたこ焼きはどうしても食べられない、犬のフンでも混ざっているのではないだろうかと思い、ごめんなさいとゴミ箱にさよならした。

その直後別の車遍路のおじいさんに餅とりんごとみかんをお接待してもらった。
そしてまた別の車遍路のおばちゃんが300円くれたのでさっきのお餅が大量だったので半分持って行ってもらった。

立江寺についてまたエコー休憩していると近所に住むというおばさんが1000円お接待してくれた。
ポカリスエットをがぶ飲みし、出発する。

途中酒屋さんによりおやつでも買おうとしたら、携帯の充電をさせてくれたうえに、缶コーヒー4本もお接待してもらった。

おやつもたべ、また歩いていると、俺らの横を走るサラリーマンの車が減速し窓を開け、頑張れよーと大声で手を振って去って行った。
とても嬉しかった。

頑張りたいが足の膨張はますますひどくなり今日はもう諦めて休もうとなった。

近くに遍路を泊めさせてくれるところがあると情報を得ていたので、そこを尋ねてみる。

快く受け入れてくれお風呂も沸かしてくれるという。

部屋に荷物を置き、晩御飯を食べに行こうと玄関を出ると宮大工だと言うおじいさんが無言で夏みかんをくれる。
とにかく無言で夏みかんを持って迫ってくるので圧倒された。

近くのローソンまで行きカップラーメンで晩御飯。夏みかんのデザートも食べ、酒屋さんでもらった缶コーヒーとエコーで真っ暗な四国の山の景色を味わう。
静かでとても感傷的な気持ちになる。


部屋に戻るとお風呂が沸いたので入りなさいと優しいお母さんに言われ、かなりレトロな丸い湯船に二人で浸かる。

風呂上がりに足を揉むが痛すぎるので湿布を貼りまくる。
豆の潰れたあともベタベタして臭くて痛い。
とにかく臭くて蠅が飛んでくるくらいくさい。

蠅よけに靴下を二重に履いて布団に入る。
布団が快適すぎてすぐに寝た。








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