【小説】おかえり、カリスマ【三】
夕食を終えた私は、一段飛ばしで階段を上がり、自分の部屋までやって来て、部屋の明かりをつけずに、遠ーくにある街灯を窓を開けて眺めた。
「はぁ、」
ため息を吐きながら私が思いを巡らせていたのはやはり、過去だった。というのも、こんな私にも、私の人生にも、ダイヤモンドのようにキラめく輝かしい時期は、ちょこちょこ存在したからだ。でも、いつからだろうか?自分がこれほどまでに過去を振り返ってばかりになったのは。今となっては何か考えよう、頭を使おうと思って最初に描かれるのはいつだって過去の