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”逆ソクラテス”を読んで

伊坂幸太郎の話は大抵、題名が本題と絡むことはないが、十中八九、話の道標になっていることが多く、今回は決めつけを無知の知の逆であるとして比喩っているところからきている。
話は担任の先生の決めつけや先入観を打ち負かすために、仲間でカンニング、絵コンテスト、通り魔事件、プロ野球選手からの指導といった機会で鼻をへし折るような画策を練り上げ、淡々とスリリングな展開が繰り広げられる。
ただ、ラストは一気に時間が進み、淡々と過去を振り返る、何かハッピーエンドを裏切るような展開で終わる。
しかしながら、何かほっこりとさせられる気持ちがするのは、未来志向で人生讃歌であり、希望の道を示しているからではないかと思う。

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