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【アニメレビュー】夜のクラゲは泳げない 第二話・第三話感想:ご都合展開を演出でゴリ押す凡作アニメ

初めましての方は初めまして。そうでない方はいつもお世話になっております。
朝霧くもりです。

さて、今回は2024年春アニメのオリジナル作品「夜のクラゲは泳げない」の第二話・第三話をレビューします!

第一話があまり良くなかったので視聴予定は無かったのですが、第三話が良かったという意見を聞いて見ることにしました。


第一話のレビューはこちらからご覧になれます。

【アニメレビュー】夜のクラゲは泳げない 第一話感想:作画◎の青春群像劇アニメだが、納得感がない

それでは行ってみましょー!



第二話・第三話あらすじ

光月まひると山ノ内花音は、新曲リリースに必要なお金を稼ぐために、喫茶店のバイトを始める。

そんな中、花音のアイドル時代におっかけをしていた女学生「高梨めい」と遭遇する。
音楽学校に通うめいを作曲者として勧誘する花音だったが、解釈違いと言われ断られる。

そんなめいは、自分自身の音楽家としての才能に疑問を感じていた。

自信の無かった演奏会にて、応援にかけつけた花音がアイドル時代の姿と被て見えたことをきっかけに、めいは二人に協力することを決めたのだった。


ついに作曲できるようになった主人公たちだったが、花音の発案からMVを作るメンバーを探すことになる。
心当たりのあったまひるは、Vtuberをやっている幼馴染の渡瀬キウイにMV作成を依頼する。

快諾したキウイだったが、実はまひるに対して引きこもりであることを隠していた。

疎外感・孤独感に苛まれて部屋に閉じこもるキウイ。
そんな現状を知ったまひるは学園祭の出し物に参加し、キウイを勇気づける。

まひるの説得を受けて正式にメンバーとして加入したキウイは、動画を完成させたのだった。


良かった点

第三話で出てきたキウイちゃんが可愛い

いやー、良いキャラが出てきましたね。

まひるの前ではいいカッコをつけたいけど、現実にはただの弱い女の子でしかないのがそそられます。

言動が実に未熟で学生っぽい

(引用:©JELEE/「夜のクラゲは泳げない」製作委員会)

きらら枠ではキャラ付けのために緑髪とか赤髪が居るのが普通ですが、このアニメではしっかりピンクに染めていることが示唆されていたのも面白かったです。


物語を感動的に見せる作画・演出

演出や作画は相変わらず良かったと思います。
特に、演出は第三話が突出していました。

引きこもっている自分を隠して見栄を張っていたキウイに対して、まひるが文化祭の舞台を通して説得する。

その舞台のシーンが素晴らしかったです。

この演出が憎いほどうまい

(引用:©JELEE/「夜のクラゲは泳げない」製作委員会)


ストーリー展開に意外性はありませんでしたが、演出によって感動できる物語に変わっていました。

……とはいえ、元々がありきたりな話のため、覇権アニメと肩を並べられるかと言われると微妙です。
演出だけで言えば、無職転生第二期後半クールの第三話と張り合えるレベルでした。

無職転生の第三話感想を参考にされたい方は、こちらをご覧ください。

【アニメレビュー】無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~ 第二クール初動感想:ルーデウスの真の人生はここから始まる!


良くなかった点

ご都合展開過ぎるストーリー

ストーリーが平凡だと言いましたが、展開が強引な所はマイナス点として取り上げておきます。

過去を引きずっていた主人公が、夢に真っ直ぐな少女と出会って立ち直る。
認められなかった憧れの元アイドルの現在を、本当の気持ちに気づいたことで納得できるようになる。
不登校を隠して虚勢を張っていた幼馴染を救うべく、主人公が奔走し幼馴染を救う。

物語の根幹はいいでしょう。普通です。


しかし、物語の繋がり方や、物語の中の細かな要素が雑過ぎます

例えば、第二話で作曲者を探す展開。
第二話は花音のファンであるめいが現れることで話が進展します。

しかし、花音が出てきたのも第一話後半で、まだまだアイドル時代の話は掘り下げられていません。
そのため、アイドル時代に何があって、そのファンはどう貴重なのかを視聴者は理解できません。


しかも、花音がアイドルを辞めたのはだいぶ前の話です。

まひると花音が会ったのは最近なのに、なぜ今頃ファンが現れるのか。しかも、その人はちょうど今求めている作曲家です。


青春群像劇なので、細かな整合性を求めるわけではありません。

しかし、話の大筋すら納得できないストーリーは許容範囲外です。
きらら枠ですらもうちょっとまともにストーリー作ってます。


自分だったら、第二話はまひると花音の関係性の進展に焦点を当てます。

仲良くなるために二人が必要な機材を買い物する姿を映しながら、花音のアイドルの過去を掘り下げます。
また、その間にストーカー(めい)が情報を探っている描写を細かく入れることで伏線を張ります。
最終的に、デートする二人の後姿をめいの視点から描き、第三話に繋げます。

こうすれば、一話で足りなかった花音の話を補いつつ、めいとのストーリーに繋げることが出来ます。

話の間の描写が全くないので、唐突なストーリー展開に感じるんだと思いました。


もう一つ、第三話で引っかかった部分を挙げます。

それは、文化祭の舞台で踊る役に立候補する→キウイが引きこもっている事を知る→舞台で元気づけるという流れです。


普通だったら、キウイが引きこもっている事を知る→文化祭の舞台で踊る役に立候補する→舞台で元気づけるの順番でしょう。

起承転結の順序が入れ替わっているんですよね。

将来的に上手く行くように主人公の言動を作っているので、ご都合展開と思ってしまいます。


相変わらず雑な心理描写

過去に何があったかはしっかりと書いていて好印象なのですが……

最後の最後、心を入れ替える描写が圧倒的に不足しています


これは第一話で取り上げた「主人公の感情や行動に共感できない」というマイナス点と同じ問題です。

第二話で、ずっとめいは「花音が憧れていたアイドル時代と違っているから協力できない」と主張していました。
ずっとそう言ってきたのに、不安に思っていた音楽会で手を振って応援されただけで手のひらを返します。

しかも、急にOKになった理由がアイドル時代の姿と被った、というだけ。
なんという理由の薄さでしょう。


第三話も「キウイがなぜ引きこもりをやめようと思ったのか」という描写が全くないんですよね。
演出で感動出来ましたが、ずっと引きこもっていたのはそれ相応の理由があるはずです。

それが主人公の舞台程度で変わるものなのか?

舞台の内容が引きこもった人に訴えかけるものだった&まひるにキウイが依存していたという要素からギリギリ納得できましたが、そもそもの話の構造自体は第一話・第二話から全く変わっていません

第二話の展開は納得感がありませんでしたし、めいへの共感も難しかったです。


第二話・第三話総評

雰囲気重視で見ている方は満足な出来だったと思いますが……

キャラクターの整合性が気になると、マイナス点が目立ってしまうアニメだと感じました。


簡単にまとめると、作画〇、演出◎、ストーリー△、心理描写×ですかね。
ありきたりな青春群像劇、という印象でした。

総評はD(切る)、C(保留)、B(視聴継続)、A(面白い)、S(覇権)のうちCランクとします。

流石に演出や作画は良いのでDまではいかないですが、今後も見るかは分かりません。
時間があったら見てみようと思います。


〆の挨拶

ここまでお読みいただきありがとうございました!

評判はそこそこ良かったので期待していたのですが、第一話の問題点が全く解決していなくて残念でした。

参考になった方はいいね、フォロー頂けると励みになります。


また次回の記事でお会いしましょう!
サラダバー!


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